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ウツボカズラの甘い息

柚月 裕子著『ウツボカズラの甘い息』読了
なかなか面白かった。
主人公は普通の主婦。懸賞で当たったパーティに行った際に中学の同級生だという女性に声をかけられる。化粧品の販売をいっしょにやろうと誘われる。といっても、一緒に事業をやろうというわけではなく、化粧品を実際に使ってもらって、その実演をして会員を集めるという。化粧品の品質はよく、自分も美しくなっていく中で、会員は順調に伸び、給料も入っていい事ずくめだが、ある時から同級生に連絡が取れなくなる。それと同時に会社の未公開株の上場の問い合わせが入ってくる。実は壮大な詐欺だった。会員を集め、資産家と思われる会員に上場したら高く上がるという未公開株を買ってもらう案内をしていた。そのお金を持ち逃げするのが目的だった。
調べていくうちにこの首謀者は実はいくつかの詐欺をはたらいて、カネを稼いでいたことがわかる。同様な手口、昔の同級生を装って近づき、うまく騙して逃げる。
よく出来ている話だ。確かに同級生だったと言って、記憶がそれほどなくても信じてしまう場面もある。さすが、いきなりお金を貸せなんて言われたら怪しく思うけど、こんな事業をやるから協力してくれなんて話だったら、信じてしまうかもね。
非常に面白かった。展開も早くて、ミステリーとしての出来はいい。

ウツボカズラの甘い息
ウツボカズラの甘い息柚月 裕子

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