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ニンジアンエ

古処 誠二著「ニンジアンエ」読了
どこかの書評に出ていたので読んだ。
太平洋戦争中のビルマを舞台とした小説。
主人公は陸軍の部隊に同行している記者。宣撫という占領していった地区で現地の人達に日本のことを知らしめる活動をしていった舞台であったが、敗走する英印軍を追撃することとなり、そこでの戦闘と捕虜の捕獲などが描かれる。日本と英国で占領していった国に対する気持ちの違いなどが捕虜となった英国の中尉との話で語られるが、それは戦争の行方も予想している話であった。
戦闘の悲惨な面が描かれているが、それとともに他の国に入って占領していく際の占領する側と占領される側、そのそれぞれの気持みたいなものがよく描かれていると思う。本当に戦争というものは悲惨だ。侵略戦争なのか、列強からの開放のための戦いだったのか、それは見方によって違うとは思うけど、やっぱり、戦争は戦争だ。渦中にいる人達にとっては悲惨であるのは変わりない。まさに悲惨である。
戦後70年を経て、忘れられてしまうのが悲しいし、残念である。
ちなみに、題名のニンジアンエとは宣撫のビルマ語らしい。

ニンジアンエ
ニンジアンエ古処 誠二

集英社 2011-11-25
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