キングの身代金
エド・マクベイン著『キングの身代金』読了
一度読んでみたいと思って、古本屋でずっと探していたのだけど、やっと見つけたので勝って読んだ。
黒澤明監督の「天国と地獄」の原作本。実際には一部しか利用していない。お金持ちの主人の子供と間違えて、運転手の子供を誘拐してしまうが、その身代金を金持ちに請求するというアイデアが秀逸だった。当時、誘拐罪の刑期が短いことと、営利誘拐は当事者の子供など直接関係者でなければ誘拐が成立しないという刑法の穴をつくようなトリックでそれが面白いから原作として利用して映画を撮ったのだろう。これ以外にも、主人公の仕事が靴製造会社の重役だったり、株の取引で会社の乗っ取りを図ったり、概ね前半部分は原作に忠実かもしれない。その後のお金の受け渡しや犯人逮捕につながるカバンの償却で黄色の煙が出たり、麻薬中毒者を使って犯人が薬の効き目を確かめるとか、犯人と警察の戦いなど、やっぱり黒澤明だなと思ってしまうところはなんど見ても面白い。
困るのは、ふと録画してある映画を見始めたとき。しかも夜遅くに。途中でやめられずに最後まで見てしまうね。
いい原作といい映画はどちらも素晴らしい。
キングの身代金 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-11) | |
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