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ハーメルンの誘拐魔

中山 七里著『ハーメルンの誘拐魔』読了
子宮頸がんワクチンの副作用をめぐる誘拐事件を扱ったミステリー。
どちらかというと子宮頸がんワクチンの副作用を世間に知らしめるために書いたんじゃないかと思ってしまった。
この副作用については一般的には意見が分かれている。どのワクチンでも少なからず副作用はあるらしいが、ちょっと程度の酷い、そして治療法の分からない副作用が多く報告されているのが気になる。このワクチンを打ったほうがいいのか、打たずに子宮頸がんになったあとで治療をした方がいいのか。
薬害エイズという非常に重い薬害を起こしてしまった厚生労働省と医薬品メーカー、そして医師の癒着が報道されて記憶にあるが、それと同じような問題だと言っている人達もいる。なんにせよ、本当にワクチンが直接の原因なのかがわからないことと、どうしてそのような事が起きるのか、そのメカニズムもよくわからないので、なんとも言えないところだ。その状態でワクチン接種を継続していくことは良くないんじゃないとは思う。では、ワクチンを打たずに、子宮頸がんになるリスクを放置していいのかというと、それはそれで問題だ。
薬というのは病気に対してよく効くものもあれば、副作用も大きい物もある。ガンの薬なんかはガンを直接叩くのはいいのだけど、同じように正常な部分も叩いてしまう。だから、副作用を起こすんだろうと思う。ガンは叩きたい。でも、それによって体全体に悪影響をおよぼすなら、それは出来ない。なかなか難しい問題だ。
要は、病気にならなければいいのだろうけど、老いというものは確実にやってくるしね。
穏やかに過ごしたいものだ。

小説としてはミステリーの形をしているが、まさに子宮頸がんワクチンの副作用を扱っていて、製薬メーカー、厚生労働省、お医者さん対被害者と被害者家族+それを支える医者という構図で、誘拐事件が起きるが、なんとも緊迫感はない。普通の誘拐ではないという感覚で進んでいくので、緊迫感はないのか。そこがちょっと残念。
まあ、この小説を通して子宮頸がんワクチンの副作用が世間に広まっていくのならそれでいいかもしれない。

ハーメルンの誘拐魔
ハーメルンの誘拐魔中山 七里

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