岩窟姫
近藤史恵著『岩窟姫』読了
この小説、読んだと思っていたのだけど、書評を書いていなくて、借りてきてもう一度読んでしまった。読んだ記憶が何となくある。
主人公は芸能事務所に所属するグラビアアイドル。その後輩が突然飛び降り自殺をする。遺書はない。ただ、この後輩の書いたと思われる、主人公を貶めるブログが公開される。主人公としてはそんな事実はないと主張するが、その結果、仕事ができなくなる。
なぜ、後輩がそのようなことを書いたのかを探るうちに、枕営業とか管理売春の事実が見つかる。ブログの写真に紛れて、暗号のように紛らせておいたのだ。それは自分の命をかけた告発だった。
うーん、こんなことは事実ではないと思いたいが、あってもおかしくないと思ってしまう。まあ、男は綺麗な女の子がすきだからね。権力とか金を持つと、それを使って欲望を叶えようとするのはふつうのコトかもしれない。
なんとなく、読了感は悪い。ミステリーとしての側面はいいとは思うのだけど。著者の筆力で主人公が非常にいきいきしてしまっているので、それが余計に嫌な感じを出していると思う。それは著者の目論見かも知れないが。それだけの筆力。すばらしい。
岩窟姫 (文芸書) | |
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