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恩讐の鎮魂曲

中山 七里著『恩讐の鎮魂曲』読了
御子柴弁護士シリーズ
今回は老人介護施設で起きた介護士の殺人事件だ。その背景は結構面倒くさい。
被害者は以前水難事故で女性の救命道具を無理やり奪い助かるという経歴を持っている。その際の映像が残っていて、殺人罪に問われたが「緊急避難」で無罪とされている。その被害者が実は入所者の老人達に虐待をしていたという。老人たちは行き場がないため、それに反論できないし、力もないので戦えない。
さらに、同じ所に入所している女性が水難事故の女性の祖母だった。加害者にうまく誘導して、被害者を襲うように仕向けたのではないか。殺人教唆的なところもあるのでは。さらに、実は被害者が別の老人を虐待していたのを救うために殺してしまったため、「緊急避難」が適用できないかと弁護をする。

なかなか難しいネタと絡みあった事情が面白かった。老人介護施設の虐待なんてのは、普通にあることになっているし、介護士が亡くなるのはあまりなくて、虐待を受けて老人が亡くなる話は新聞沙汰にもなる。たしかに、若い人が年寄りの介護をするってのは大変だ。老人にもプライドがあるから。なかなか介護を受けるなんていいと思わない人も多いしね。そんな話で終止するのかと思ったら、緊急避難という法律論も出てきてさらに面白かった。
いろいろネタが有るねぇ。

恩讐の鎮魂曲
恩讐の鎮魂曲中山 七里

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