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ラジオラジオラジオ!

加藤 千恵著『ラジオラジオラジオ!』読了
たまたま図書館で見つけて読んだ。正確には表紙の絵に惹かれて。
高校生の主人公がローカルFM局で番組を担当している。その番組のことで、いろいろな出来事がある。
一緒に始めた友人が途中で辞めたいという。放送の反響が全く無い。振られた友人のことをラジオ番組で話したら、友人から酷いことを言われた。などなど。高校という青春のなかで繰り広げられる一場面を切り取ったさわやかな作品。なんでもない一日がとても大切な日々だと主人公が理解する。
さわやかな読了感だった。

ラジオラジオラジオ!
ラジオラジオラジオ!加藤 千恵

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戦略がすべて

瀧本 哲史著『戦略がすべて』読了
ビジネス書かな。
直接戦略について書いているわけではないが、AKB48などの成功例を解きほぐす中で戦略の大事さを表している。たしかにそうかも。
うまく行った出来事は戦略がしっかりしているからうまく行った。戦略がしっかりしていなければうまくいかないのは当たり前。戦略がなく、その場限りの戦術で闘うのはしんどい。日本人は総じて戦略を立てるのは苦手。道を描いてもらったあと、コツコツやっていくのは得意なんだけど。太平洋戦争でも、下士官以下の兵士は優秀だったけど、戦略を立てるのが下手なので、行き当たりばったりとか兵站が間に合わないのに戦線を拡大しちゃうとかしてダメにしちゃったんだよね。もっとうまく戦わなければいけなかったはずなのに。
同じようなことがビジネスでもある。アメリカのベンチャーなんかは最初のしっかり戦略を組み立てたあとで、仕事を進めるので間違いが少ない。ブレがない。だから、うまくいく確率が高い。何事もそうだけど、しっかりした戦略、方針に基づいてしっかり計画をたてて、それを実行するなら、失敗は少ない。
わかっているけど、出来ないんだよな、これが。上の方針がブレるからね。AプランとともにBプランのことも考えておかないといけないのはつらい。でも、それが日本の常識なんだよね。
はあ。

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恩讐の鎮魂曲

中山 七里著『恩讐の鎮魂曲』読了
御子柴弁護士シリーズ
今回は老人介護施設で起きた介護士の殺人事件だ。その背景は結構面倒くさい。
被害者は以前水難事故で女性の救命道具を無理やり奪い助かるという経歴を持っている。その際の映像が残っていて、殺人罪に問われたが「緊急避難」で無罪とされている。その被害者が実は入所者の老人達に虐待をしていたという。老人たちは行き場がないため、それに反論できないし、力もないので戦えない。
さらに、同じ所に入所している女性が水難事故の女性の祖母だった。加害者にうまく誘導して、被害者を襲うように仕向けたのではないか。殺人教唆的なところもあるのでは。さらに、実は被害者が別の老人を虐待していたのを救うために殺してしまったため、「緊急避難」が適用できないかと弁護をする。

なかなか難しいネタと絡みあった事情が面白かった。老人介護施設の虐待なんてのは、普通にあることになっているし、介護士が亡くなるのはあまりなくて、虐待を受けて老人が亡くなる話は新聞沙汰にもなる。たしかに、若い人が年寄りの介護をするってのは大変だ。老人にもプライドがあるから。なかなか介護を受けるなんていいと思わない人も多いしね。そんな話で終止するのかと思ったら、緊急避難という法律論も出てきてさらに面白かった。
いろいろネタが有るねぇ。

恩讐の鎮魂曲
恩讐の鎮魂曲中山 七里

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なれる!SE (13) 徹底指南?新人研修

夏海公司著『なれる!SE (13) 徹底指南?新人研修』読了
シリーズ13作目。
主人公も入社1年たって、すっかり社会人としてやっていけるようになり、次の年の新人がドサッと来て、その新人教育係となるお話。
2年めで新人教育の担当ってのはあんまりにも早いと思うけど、まあ、他に適当な人がいなければそうなるわな。
新人からしてみれば、右も左もわからなくて、ひたすら後ろについてお勉強という時期にいろいろやらされるのだろうけど、大体において新人教育当時の座学なんてまあ、役に立たないわね。でもやっておかないと社会人としてどうかってことになるから、やる価値はあるし、聞いておく価値はある。
電話を取るのだってそうだわ。会社に入らなければ、電話を取るなんて慣れていないだろうし、いきなり”お世話になります”なんて言えないだろうしね。会社で取る電話なので、お世話になっていようがいまいが”お世話になります”と言うこととなる。そんなところから勉強しないとね。
自分も新人教育をやったりしたけど、歳のせいかだんだん若い人たちの考えがわからない世代になってしまった。変に気を使われるのもいやだけど、相手の立場で見たら、自分の父親みたいな人とどう接していいかもわからないだろうね。
この話の中でも出てくるけど、ちゃんと教えてくださいとかマニュアルはないのかとか言われることもある。たしかにちゃんと教えることができれば一番だけど、仕事ってちゃんと教えられるものだけじゃないよね。やり方から考えないといけないような仕事だってある。”教わっていないから出来ません”とか言われると頭にきて、今までやってきたことは全て教わったのか、教わったこと以外やったことないのかって言いたくなる。
まあ、新人の頃ってすべてが勉強で、うまくやることもそうだし、失敗することだって仕事だし。新人が失敗したって仕方がないで済んでしまうことも、年をとって同じことをされたら頭にくることだって多い。何事も経験だな。経験は教わることが出来ないから。
今回の非常に面白いお話だった。展開もしピーディーだし。そろそろネタ切れかな。どう終わらせるんだろうね。

なれる!SE (13) 徹底指南?新人研修 (電撃文庫)
なれる!SE (13) 徹底指南?新人研修 (電撃文庫)夏海公司 Ixy

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なれる!SE (14) 世にも奇妙な?ビジネスアライアンス (電撃文庫) なれる!SE (12) アーリー?リタイアメント (電撃文庫) なれる!SE (11) 絶対?管理職宣言 (電撃文庫) なれる!SE (10) 闘う?社員旅行 (電撃文庫) なれる!SE (9) ラクして儲かる?サービス開発 (電撃文庫)

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火星の人

アンディ・ウィアー著『火星の人』読了
映画はまだ見ていない。
火星の有人探査中に一人の科学者が取り残されることとなる。取り残された科学者が、いかに生き延びて助けが来るのを待てるのか、そして地球からはどうやって助けるのかを描くSF小説。
いかにもアメリカ的。火星に取り残されちゃったけど、落ち込むこともなく、なんとかして生き延びる手段を考える。まず、地球との通信手段を復旧させる。そして、食料を確保する。そのために農園を作り、そこでじゃがいもを生産する。水を作る。水素も作る。移動手段を作る。何でもありだ。
地球からも、助けるためにロケットを飛ばすが、一回目は失敗。中国に協力してもらって、そして火星から戻ってくる宇宙船をもう一度火星に送って、なんて本当に何でもありだ。
当然ながらハッピーエンドに向けて全力疾走なんだけど、そこまでにいろいろある。最後も手に汗握る。宇宙船では降りることは出来ないから、火星大気圏まで打ち上げされなければならない。その軌道が多少狂って、捕まえられないかもしれないところまである。手に汗握るねぇ。こりゃ、映画も面白いんじゃない。

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ハーメルンの誘拐魔

中山 七里著『ハーメルンの誘拐魔』読了
子宮頸がんワクチンの副作用をめぐる誘拐事件を扱ったミステリー。
どちらかというと子宮頸がんワクチンの副作用を世間に知らしめるために書いたんじゃないかと思ってしまった。
この副作用については一般的には意見が分かれている。どのワクチンでも少なからず副作用はあるらしいが、ちょっと程度の酷い、そして治療法の分からない副作用が多く報告されているのが気になる。このワクチンを打ったほうがいいのか、打たずに子宮頸がんになったあとで治療をした方がいいのか。
薬害エイズという非常に重い薬害を起こしてしまった厚生労働省と医薬品メーカー、そして医師の癒着が報道されて記憶にあるが、それと同じような問題だと言っている人達もいる。なんにせよ、本当にワクチンが直接の原因なのかがわからないことと、どうしてそのような事が起きるのか、そのメカニズムもよくわからないので、なんとも言えないところだ。その状態でワクチン接種を継続していくことは良くないんじゃないとは思う。では、ワクチンを打たずに、子宮頸がんになるリスクを放置していいのかというと、それはそれで問題だ。
薬というのは病気に対してよく効くものもあれば、副作用も大きい物もある。ガンの薬なんかはガンを直接叩くのはいいのだけど、同じように正常な部分も叩いてしまう。だから、副作用を起こすんだろうと思う。ガンは叩きたい。でも、それによって体全体に悪影響をおよぼすなら、それは出来ない。なかなか難しい問題だ。
要は、病気にならなければいいのだろうけど、老いというものは確実にやってくるしね。
穏やかに過ごしたいものだ。

小説としてはミステリーの形をしているが、まさに子宮頸がんワクチンの副作用を扱っていて、製薬メーカー、厚生労働省、お医者さん対被害者と被害者家族+それを支える医者という構図で、誘拐事件が起きるが、なんとも緊迫感はない。普通の誘拐ではないという感覚で進んでいくので、緊迫感はないのか。そこがちょっと残念。
まあ、この小説を通して子宮頸がんワクチンの副作用が世間に広まっていくのならそれでいいかもしれない。

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検事の本懐

柚月 裕子著『検事の本懐』読了
左方検事シリーズ。
前作はすでに検事をやめて弁護士となっていたが、その主人公が検事となった頃を短編集として語る。
合わせて、父親で弁護士だったが業務上横領の罪に問われて、結局は獄中でなくなった経緯なども語られる。その他、さらに高校生だった際のエピソードも。
それぞれが非常に面白い。この検事さんだったら、巨悪も捕まえて罰してくれるんじゃないかと思ってしまう。人物の描き方が素晴らしいので、物語にどっぷり入ってしまうことができる。いいねぇ、このシリーズ。
まだまだ続けることが出来そうなので、続けてほしいなあ。どこかで検事を辞めるエピソードも描かれるのだと思うけど、それも楽しみ。

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闇に香る嘘

下村 敦史著『闇に香る嘘』読了
江戸川乱歩賞受賞作
主人公は盲目の老人。孫が腎臓を患っていて、生体腎移植をしてあげたいが、検査の結果状態が悪いために適用不可となり、兄に検査を受けてもらえるようにお願いするが拒否される。
この兄が中国残留孤児で長い間中国人の親に育てられた後に日本に帰国したが、自分のほんとうの兄であるかどうかが不安に思えてきていた。それを調べようとすると、自分の記憶とちがう事実がいくつか出てくる。そんな中で、拾の兄だという人物が接触してくる。しかも、中国人だと。残留孤児だとして戻ってきた今の兄は間違いなのか。嘘を付いているのか。そんな中、母親が亡くなる。事実を知らせまいとして、兄が殺したのか。
幾つかの伏線を最後にまとめてうまく回収している。ミステリーとしては秀逸。よく考えられている。真実がパタパタと変って見えてくる様子は非常に面白かった。この著者はずっと乱歩賞に応募してきたらしいが、よく勉強してミステリーを書いていると思う。エンターテイメントとしてのミステリー小説が書けている。
今後に期待できる内容だった。

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叛徒 満願 道徳の時間 さよなら神様 生還者

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岩窟姫

近藤史恵著『岩窟姫』読了
この小説、読んだと思っていたのだけど、書評を書いていなくて、借りてきてもう一度読んでしまった。読んだ記憶が何となくある。
主人公は芸能事務所に所属するグラビアアイドル。その後輩が突然飛び降り自殺をする。遺書はない。ただ、この後輩の書いたと思われる、主人公を貶めるブログが公開される。主人公としてはそんな事実はないと主張するが、その結果、仕事ができなくなる。
なぜ、後輩がそのようなことを書いたのかを探るうちに、枕営業とか管理売春の事実が見つかる。ブログの写真に紛れて、暗号のように紛らせておいたのだ。それは自分の命をかけた告発だった。
うーん、こんなことは事実ではないと思いたいが、あってもおかしくないと思ってしまう。まあ、男は綺麗な女の子がすきだからね。権力とか金を持つと、それを使って欲望を叶えようとするのはふつうのコトかもしれない。
なんとなく、読了感は悪い。ミステリーとしての側面はいいとは思うのだけど。著者の筆力で主人公が非常にいきいきしてしまっているので、それが余計に嫌な感じを出していると思う。それは著者の目論見かも知れないが。それだけの筆力。すばらしい。

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忘却のレーテ

法条 遥著『忘却のレーテ』読了
リライトの著者の作品。読んでみようと思って。
レーテという直近の1日程度の記憶を消してしまうという薬の試験のために製薬会社のセンターに行く主人公。冒頭ではその試験の結果で適用不可で帰るというところから始まる。
そこから遡る形でお話が語られていくが、実際には試験を行っていて、効能通り前日の記憶がちゃんと消されているらしい。ただ、本文中にも書かれている通り、記憶が消されたということを本人がわかるかどうか。忘れなかったことはわかるが、忘れたしまったことはそもそも覚えていないということと同じなのでそれが本人にはわからない。これは一つのパラドックスだ。それを一生懸命書いている。途中殺人事件も起きているらしい。でも、記憶は消されてしまっているのでわからない。うーん、読んでいて何が本当のことなのかよくわからない。
忘却できる薬なんて、忘れてほしい他の人にとってはいいことだけど、本人にとってはどうなんだろう。忘れたことを忘れるのだから、何もなかったこととなって記憶には残らない。経験というものが無くなるということか。どうなんだろう。

忘却のレーテ
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砂の王宮

楡 周平著『砂の王宮』読了
今回はスーパーマーケットを立ち上げる立身出世の物語。途中で殺人事件なんかも出てきて、すこし面白くなってきたかなってところで終わっちゃうのはなんでだろう。疲れちゃったからかな。
ダイエーの中内さんがモデルって解説されている方がいるけど、まあ、フィクションとして考えるほうがいいだろうね。戦後の闇市で医薬品を売りさばくところから、スーパーマーケットチェーンを立ち上げて、関東進出。その際に出店をめぐってトラブルになり、殺人事件に巻き込まれる。一方、愛人に子供が出来て、その子が大きくなって現れる。跡取りの争いみたいなところも描かれるが、途中で終わっちゃうんだよね。
面白いといえば面白いけど、もう少しひねりがあってもいいのではと思っちゃう。

砂の王宮
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