勁草
黒川 博行著『勁草』読了
今回はオレオレ詐欺の犯人グループとそれを追いかける刑事たちのお話。
相変わらず、展開が早くてスムーズ。読んでいて軽快。
オレオレ詐欺の手口については、よく調べている。臨場感のある犯人グループの動きは面白かった。相手をいかに騙すかというところでの駆け引きはすごい。犯人もそう簡単には捕まりたくないから、いろいろ防護している。その辺りはうまく書いている。
途中、犯人グループの元締めみたいな人をひょんなことから殺して埋めてしまうところからがらがらと悪い方に展開していく。金に目が眩むとこういうことになるのか。しかし、現金以外を現金化するのはなかなか大変だということがよく分かる。銀行など、本人確認が徹底しているし、ATMなんかは高額の引き出しは簡単には出来ない。暗証番号も簡単には教えてくれないし、ハンコの変更も本人でないとできない。なかなか大変だ。
こういう犯罪を臨場感よく書いている小説は小気味よい。結局犯人は奈落の底に落ちていくのだが、やってはいけないレベルを越えてしまうと、落ちるところまで落ちてしまうのだな。フィクションとはいえ、こんな感じで転落していくんだろう。
非常に面白かった。
勁草 (文芸書) | |
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