ナイルパーチの女子会
柚木 麻子著『ナイルパーチの女子会』読了
長編小説
著者の気楽な短編集とはちがい、重い感じの女子のどろどろした小説。
主人公は父と同じ商社に入社して30台を迎えたOLとお気楽なブログを書いている主婦。
ブログが気になってチェックしていたOLが実はこの書いているブロガーが自宅の近くに住んでいる事に気づき、とあるきっかけで接触する。ブログの熱心な読者であることをアピールし、友達になることを強要する。そもそもこのOLさんもちょっと性格的に問題がある。
女子で群れることに慣れていない人はなかなか社会性を獲得するのが難しいのか。男は一人でいる人も多いけど、女子はね。相手に合わせることがめんどくさくなると距離を置くだろうし、そうなってしまうと輪の中に入っていくのも大変になっていくし。人は群れで生きているけど、それにあわせるのはなかなか難しい。
だんだんストーカーとなっていくOLとそれを窮屈に思うブロガー。ちょっと怖くなっていく展開だが、なんとかブロガーが逃れようとしてブロガー仲間に助けを求めるのも、それが逆にストーカーになっていってしまう。本当に怖い展開。
社会性は大事だけど、みんなに合わせなければ生きられない社会も怖い。ちょっとずっしり来る小説だった。
ナイルパーチの女子会 | |
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