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原発再稼働「最後の条件」: 「福島第一」事故検証プロジェクト 最終報告書

大前 研一著『原発再稼働「最後の条件」: 「福島第一」事故検証プロジェクト 最終報告書』読了
震災から5年が経ち、NHKでも福島第一原発の最初の88時間を特集していたりして、整理する時期が来たのかと思う。
この本は事故から1年後に著者がまとめた報告書だ。2012年にこれをまとめたスピード感はすごいし、しかもほぼ正しい内容を掴んでいる。というか、こういったスピード感で事故対応をしていかないと仕事では役に立たない。そして、お客は逃げていく。こういった大規模なものでなくとも、事故が起きたら、すぐに原因調査、そして対策。その後で処分をしないといけない。だれかが本来やらなければならないことを怠っていたのなら処分しなければならないだろう。

本書では、福島第一だけでなく、同じような震災による被害を受けた別の原発(福島第二、女川など)との比較をして、何が良くなかったのか、そして、事故にならなかったこれらの原発は何が良かったのかを分析している。これらの分析をしっかりやることによって、次に同じことが起こったとしても同じような事故にならないためには何をしておくべきかが明確に、合理的にわかることとなる。決して同じような被害が発生するわけではないので、同じ対策だけをして安心というわけではないが、少なくとも同じ程度の被害でも大事故とならない対応は取れる。そこから、経験を積んで安心を勝ち取っていく。そうやって、賢くなっていくはずだ。この本はそのための貴重な資料だ。
全電源喪失なんて起きないと思っていたから、こういった事故は起きた。ディーゼル発電機が止まるなんてことは思っていないから、同じような発電機を横に並べておいた。ちょっと考えて、まてよ、違う種類の空冷の発電機を一台置いていただけで、助かった原発もあるのだ。考えぬくことが大事なのだろう。
そして、NHKのTVでもあったが、かえすがえす水素爆発を起こしてしまったのが痛い。しかも、1号機で起きて、同じ状況で予想できたはずなのに、3号機、4号機でも爆発を起こさせてしまった。あれさえなければ、後処理は幾分楽だったろう。1号機の知見から、他の原子炉で水素のガス抜きが出来なかったのか。考えていたのに出来なかったのか。そこは本当に残念だ。
最後まで電源がない状態で頑張っていた2号機で冷却機能が無くなり、ベントも出来ない状態で格納容器の損傷まで起こしてしまったのは辛い出来事だ。現場で作業をしていた方々はなんとかベントしようとやっていたのだろうが、それが出来ず、結局損傷してしまったことによって、大量の核物質を拡散してしまうこととなり、その後の除染などに多大な費用と労力がかかる事となってしまった。多重障害への対応は難しいもの。頑張って作業をされたけど、結局だめだった。かえすがえすも残念。
我々は、これらの知見から前に進んでいかなければならない。少なくとも同じような被害があったとしても、原発は健全な状態で停止できなければいけない。そういったことが本当に出来ているのか、心配になってしまう。再稼働するなら、最低でもそういったことはやってからにしてほしい。福島第一から得た教訓を糧に、より安全な原発を少なくとも後何年かは動かさなければならないだろうし。

原発再稼働「最後の条件」: 「福島第一」事故検証プロジェクト 最終報告書
原発再稼働「最後の条件」: 「福島第一」事故検証プロジェクト 最終報告書大前 研一

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