人類資金
福井 晴敏著『人類資金』読了
7巻まである長い小説で、同時に映画も作成されて、図書館で順繰りに借りて読んでいるうちに映画が封切りされて、そのうちにCATVでも放映されて、先に映画を見てしまった。最終的に7巻まで読んだが、途中までは手に汗握るコンゲームで面白かったが、途中から進みが落ちてきて、ひたすら登場人物の心象風景が描かれて展開が遅くなってしまった。しかも、7巻がめちゃ厚くて、ここにそれまでの巻の紹介が書かれていて、はっきり言って7巻だけ読めば事足りた。
映画は一気に見れたので、非常に面白かったが、なんか中身が薄かったかな。小説で書かれた想像力豊かな描写を映画に表すとこうなってしまうのかなと思ってしまう。まあ、映画だから仕方がないが。
著者の歴史観がいっぱい詰まった小説であることは確か。それが、ちょっと鼻についてしまう。展開を早めればもっと少ない枚数で終われたのに、延々歴史観を語られてもなって感じがする。主張は十分わかるのだが。戦後の日本が歩んできたものをリセットしたいのだろうけど、全否定も出来ないし、全肯定も出来ない。こういう世の中に生きている我々としては、仕方がない面が多いのだ。やり直せるのなら、うまくやり直せるかもしれないが。
この小説に関して言えば、映画を見てもらったほうがいい。
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