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総理にされた男

中山 七里著『総理にされた男』読了
面白い設定の小説。
主人公は売れない演劇をやっている劇団員。容姿がたまたま時の総理大臣に似ていることもあって、劇団の前座でちょっと喋ったりしていた。その男が拉致され、官房長官のもとに連れてこられ、総理大臣の代役をやることになる。本物の総理大臣は急病で意識不明の状態という設定。
急に総理大臣の職につけって言ったってそう簡単にできるもんじゃないと思うもんだが、要は大概のことは周りが決めていて、あとは良きに計らえって言っていればいいと。そうでもないとは思うのだが、まあ、お役人がある程度やってくれるのでなんとかなるのかもしれない。
そんな感じで始めてみたものの、本物は途中で亡くなってしまい、そのまま総理大臣を続けることになる。その後、後に引けなくなったのと、総理大臣という立場でちょっと政治家的でないこともやりだしたり、庶民感覚を出してみたりといろいろ面白く政治に関わるようになる。
政治家なんて裏でドロドロしているのではないかと思ってしまうが、結局は交渉事で相手の考えを上手く引き出し、こちらに有利になるようにまとめることがうまいかどうか。理想ばかり言っていたってダメだけど、夢がなければ人はついていかない。その夢をいかに共感させられるか。大多数の賛成はOKだけど、少数の面倒くさい反対派が結局一番大変で、声の大きい人に引きずられて対局を見失うことが多いように思う。やっぱり大多数の幸福のためには少しの苦労と犠牲はしかたがないのではないかと思うのだが。

総理にされた男
総理にされた男中山 七里

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