いちから聞きたい放射線のほんとう: いま知っておきたい22の話
菊池 誠 小峰 公子著『いちから聞きたい放射線のほんとう: いま知っておきたい22の話』読了
どこかの書評で出ていたので。
対談集の形をしている。著者のお二人のうち、男性は科学の得意な方、女性はあんまり放射能に関する知識のない方。このうち、放射能について知らない女性の方が男性に教えてもらうという感じで対談している。わからないことを物怖じせずにとことん聞いているので、こちらとしてもそこまで聞くかと思うくらい聞いてくれて、それで逆に納得できる内容になっている。こういう本を最初に読んで知識があれば、それほど放射能のことを闇雲に怖がらなくても良かっただろうと思ってしまう。
決して軽く考えろとか、福島の事故は軽かったなどというわけではなく、一般的な常識の範囲内で今回の福島の事故のあとの放射能について考えさせてくれる良い教材だと思う。正しい知識で正しく理解して、注意すべきことは注意しようとなる。
あの事故の直後は、それこそ黒い雨が降るだとか、放射能を浴びて死んじゃうとか、放射能が伝染るだとか間違った情報に踊らされていたように思う。今回、この本を読んで自分の体の中で放射性カリウムによる内部被曝を少しずつはしているのだということを教えてもらった。これは福島の事故が原因ではなく、食物連鎖の中で摂取していく必要な物質であるカリウムの中にある割合で放射性のものが含まれていて、それはどうしようもないことなんだということがわかった。だからといって、放射性セシウムも大丈夫だなんて言うつもりもない。でも、そういう今の地球に生きているんだから仕方がないところもあるってことだ。
一度読んでおいても、損はない。ただしく怖がろうということ。
いちから聞きたい放射線のほんとう: いま知っておきたい22の話 (単行本) | |
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