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下山事件 暗殺者たちの夏

柴田 哲孝著『下山事件 暗殺者たちの夏』読了
戦後最大のミステリー、下山事件を扱ったフィクション。
著者は下山事件のノンフィクションも書いているが、ノンフィクションでは語りきれないところを、フィクションという形で描いたもの。なぜ下山総裁は殺されなければならないのか。自殺に見せかけた偽装工作は誰が何のために行ったのか。その点をフィクションとして描いている。
国有鉄道の総裁が行方不明となり、轢断死体となって見つかるなんて普通の状況ではない。でも、そこには戦後の占領状態でしかも、国が少し乱れていた時なので、あり得たものなのか。今の世なら、もっとちゃんと捜査が行われただろうに、結局は自殺他殺どちらかも明確にされずに闇に葬られた形となってしまった。はたして真相はなんだったのか。案外アメリカ公文書館の占領時代の文書のなかに何か残されているのかもしれない。

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下山事件 暗殺者たちの夏柴田 哲孝

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デザイナーベイビー

岡井 崇著『デザイナーベイビー』読了
NHKがテレビドラマ化したので、図書館で手にとった。
表題は遺伝子操作で赤ちゃんの設計をするようなイメージを持たれるが、それもテーマだが、単純には障害を持つ赤ん坊を誘拐した犯人とそれを追う警察との攻防がメインだ。
わが故郷、焼津が作品の中に出てくるのも面白かった。
ドラマは見ていないのでわからないが、黒木メイサが刑事役出てきて、それはそれで話題性はあるが、元の小説は刑事側はあんまり主役ではなかったように思えるが。

この小説を読んでいて、昔のサントリーミステリー大賞を取った由良三郎さんのミステリー小説を思い出した。決して話の内容が似ているとかそういうものではない。話の持ってき方とか、説明の仕方とかが何となく似ている気がした。それで、著者も由良三郎さんも学者さんで、退官してから小説を書きだした。科学をちゃんとやってきた人らしく、論理の組み立てがしっかりしていて、しかも説明の仕方が優しい。読者にわからせるように説明してくれている。やや難しい医学的な説明も非常に平易に説明されている。そんなところが由良三郎さんのミステリーと似たところがあると思った。
著者の小説を続けて読んでみたくなった。

デザイナーベイビー
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日米開戦の正体――なぜ真珠湾攻撃という道を歩んだのか

孫崎 享著『日米開戦の正体――なぜ真珠湾攻撃という道を歩んだのか』読了
元外務省職員の著者が語る、太平洋戦争直前の状況分析。
単純に軍部が暴走したということだけではなく、日本、アメリカ、中国、ソ連など各国の思惑がいろいろ交錯した中で、日本の軍部に戦争を仕掛けるようにさせられたのだと分析。
でも、結局真珠湾攻撃のはるか昔から、戦争をしなければならないように進む道を一本にさせられたから、戦端を開始させられたのだ。止める局面はあったかもしれないが、止めると国が破滅するような状況だった。
振り返って、今はどうか。借金だらけの国の財政で、この状況をどうしていくのか。一つ間違えば、また昔のように戦争に進んでいったっておかしくない。流石に70年前の悲劇をまだ我々は知っているのでそうはならないと思っているが、もしこれでどこかから攻めこまれたら、反撃という名の戦争を開始するかもしれない。戦争でなくても、国の状況は取り返しの付かないところまで行っている。どうやったら借金は返せるのか。返す当てがあるのか。国民から借金をしているだけだからいいというのか。
どうも状況は良くない。でも、その良くない状況の中で、どうやったら良くなるのかをわかっている政治家、指導者はいないのではないか。
痛みは当然伴う。その痛みを国民にちゃんと説明できる政治家はまだ出てきていない。孫のお金を使ってしまっている我々は、どのように孫に償えばいいのだろうか。

日米開戦の正体――なぜ真珠湾攻撃という道を歩んだのか
日米開戦の正体――なぜ真珠湾攻撃という道を歩んだのか孫崎 享

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ヘルたん - ヘルパー探偵とマドンナの帰還

愛川 晶著『ヘルたん - ヘルパー探偵とマドンナの帰還』読了
ヘルたんシリーズ第二弾。
ヘルパーで探偵助手をする主人公が事件を解決する短編集。前作とのつながりがあって、それを読んでいないとわからないところもある。特に主人公の高校の先輩で密かに思いを持っている女性が失踪しているのだが、その理由とかどこにいるとかそういうことがわからない。前作を読めばいいのだが、あまりに昔に読んだので忘れてしまっている。読み直せってことかな。
この小説、なかなかいいなと思うのは介護保険の制度とか、ヘルパーのサービス、認知症の症状など今の日本の高齢者を取り巻く状況をある意味ちゃんと説明してくれている点だ。知り合いに若年性認知症の人もいるので、参考になる。
あと、浅草近辺が舞台となるので、昔の芸者の人とかも登場人物でいるので、いろいろうんちくも説明してもらえる。それもおもしろい。
副題にもなっているようにマドンナが帰還しておしまいとなるので、次もあるんでしょって思う。次、早く出してもらわないとまた忘れてしまうよ。

ヘルたん - ヘルパー探偵とマドンナの帰還
ヘルたん - ヘルパー探偵とマドンナの帰還愛川 晶

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一路

浅田 次郎著『一路』読了
幕末の参勤交代で江戸に向かう行列の供頭を主人公としたお話。
著者の表現がすばらしいのか、一気に読めた。
もともと父親が参勤交代の供頭役だったのだが、休止した関係で江戸にいた主人公の青年が急遽供頭をすることになる。父親からはまったく教わっていない参勤交代のやり方を昔先祖がまとめたという書物を参考に無事参勤交代を成し遂げる。その間に、様々な道中の問題やお家騒動、お姫様の登場、許嫁との関係、国元の動きなど、様々なことをうまくこなして主人公が成長していく姿を描いている。
当然フィクションだと思われるが、一つ一つのエピソードがありそうな感じで非常に面白い。臨場感を持って描写される内容に物語に入り込める。
この小説はNHKでドラマ化されたようだが、ドラマは見ていない。結構面白いのではないかと思う。個人的には乙姫のキャストを誰がやるのか気になるところ。暇があったら観てみたい。

一路(上) (中公文庫)
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その女アレックス

ピエール ルメートル著『その女アレックス』読了
このミス一位だったかな。
結構新しい本なのに、ブックオフで108円だったので購入して読んだのだけど、どうもよくわからない内容だった。読み方が悪かったのだと思うのだけど、読みなおす気にもならず。
まず、監禁される主人公がいる。そこからなんとかぬけ出すのだが、その主人公が実は連続殺人犯だったらしく、警察は監禁された被害者を追うのと殺人犯を追うのと一緒になっちゃう。しかも、その殺し方がまたねえ、残酷だわ。硫酸を口から流し込むなんて想像するだけでヤナ感じ。濃硫酸なんて大学からこっち扱ったこともないけど、けっこう飛ばしてやけどしたなって経験がある。それを口からの喉に流し込まれるなんて想像したくないよ。
そして、最後はその主人公のお兄さんの取り調べの風景。主人公は自殺なのか、殺されたのか。実はお兄さんが主人公を虐待していたという事実も明らかに。
なんというか、これらの話がどうも結びつかなくて。読み方が悪かったんだと思うけどね。寝る前に少しずつ読んでいたのだけど、眠くなるからそこで終わってというのを繰り返して、いいところまで進んで読みつなぐって感じじゃなかったのだよね。それがいけなかったのかなとも思うけど。
これがこのミス一位っていうのもなんか違和感があるなぁ。まあ、自分の感想だけどね。

その女アレックス (文春文庫)
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