小説 外務省-尖閣問題の正体
孫崎 享著『小説 外務省-尖閣問題の正体』読了
これは小説という形を取っているが、書かれている内容は事実なのだろう。
尖閣問題は日中間のややこしくするためのものであり、表に出てくることになれば必ず問題となることだった。一度棚上げで両国間は合意したみたいだが、当然ながらそんなことを公式に文書化も出来ないだろうから、そうしたことを首脳間で取り決めたという記憶だけが残った。そのため、時間とともにそして人とともに忘れられ、両国間の関係とともに表に出てきて問題となってしまった。
北方領土問題だってそうだ。ロシアが実効支配しており、普通に考えたら返還なんてできるはずがない。でも、何らかの両国間の利害が絡めばできることもある。そんな大変な交渉だから、簡単にできないし、表に出来ない。ある日突然首脳間会議が持たれて決まるのだろう。それによって、周りの国との関係も関わってくる。特にアメリカとの関係だ。
ロシアと日本が仲良くなるのはアメリカとしては気に食わない。同様に日本と中国が必要以上に仲良くなるのも気に食わない。だから、ちょっとした問題を提起する。
アメリカは中国の南シナ海の軍事基地化を気にしているが、はたしてどこまでちょっかい出すのか。ちょっかいで済めばいいが、下手をすると本格的な軍事衝突になる。振り上げた拳の落とし所が無くなる。さて、どこまでやる気があるのか。中国はちょっかい出されたらやるんじゃないかと思うよ。ただ、経済的なつながりもあるからどうなんだろう。そんなに簡単な話ではないと思うけどね。
だからといって安保改悪は困っちゃう。安部首相はある意味歴史に名を残す首相になるかもしれない。まあ、跡継ぎもいないんだから仕方がないが。
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