迷子の王様: 君たちに明日はない5
垣根 涼介著『迷子の王様: 君たちに明日はない5』読了
このシリーズも5冊目。そしてシリーズ終了かな。
首切り補助会社に勤める主人公と面接相手の話の短篇集。首切り補助会社という表現は悪いけど、会社の人事から依頼を受けて、人員整理のお手伝いをする会社。日本では指名解雇は出来ない決まりから、まともに行くと希望退職を募ることとなるが、それだと必要な人までやめてしまう。だから、リスト化した社員に対して退職に誘導する面談を行う会社に依頼して退職を誘導する。法律的には指名解雇をしていないのでいいらしい。
このところすこし景気が上向いているし、東京ではオリンピック景気で人手不足になっている。ただ、人材のグローバル化はすごく進んでいて、仕事は日本国内でやらなくても良くて、中国とかベトナムとか人件費が安いところに回る構図もできている。もっとも中国は人件費が上がっているのでそんなに簡単でもない。
つくづく現在の労働基準法などの関連法がいろいろな縛りをしているような気がする。簡単にやめさせられないから、簡単に採用できない。だから正社員化されなくて非正規労働者が増えてしまう。解雇条件の緩和をすれば少しは人材の流動化が進むような気もするけど。
このシリーズも社長が会社がたたむこととしたために、これで終わりなんだろう。また、面白いシリーズを出してくれることを祈る。
迷子の王様: 君たちに明日はない5 | |
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