アポロンの嘲笑
中山 七里著『アポロンの嘲笑』読了
殺人事件で物語は始まるが、犯人は明確。でも、その犯人は目的があって逃走する。東日本大震災の福島第一原発に向かう犯人。その目的はなにか。
追う警察側も地震と津波のあとでなかなか人を割けない。そんななか公安もはいって犯人を追う。
原発の燃料プールにプラスチック爆弾を仕掛けたのが被害者で亡くなってしまうのだが、その友人だった加害者が爆弾を除去しようと原発に向かう。実際には放射能が強くて普通には入れないのだが、そこでなんとか爆弾を除去して事切れる。
うーん。そんな状況が果たしてありえるのかな。まあ、フィクションだからいいのだけど。確かにあの事故の時、燃料プールの水を心配していたのはアメリカだけだったとの話。実際は、原子炉の収束に目が行っていて、燃料プールまでは考えが及ばなかった。さらに水素爆発でプールはむき出しになってしまったりしてしまって、水があるかどうかで大変なことになっていたらしい。
幸いなことに水が抜けることもなく、冷却できていたから今東日本地方にも住めるのだが、もし、水がなくなっていたら広域に放射能がばらまかれてそれこそ大変なことになっただろう。案外燃料プールというのは無防備だということがわかった。
さて、この小説、どう評価したらいいのか。面白い要素はあるのだが。ちょっと入り込めなかったのが正直なところ。
アポロンの嘲笑 | |
![]() | 中山 七里 集英社 2014-09-05 売り上げランキング : 172302 Amazonで詳しく見るby G-Tools |





| 固定リンク
« 黒警 | トップページ | カレンダーにない日 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント