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後妻業

黒川 博行著『後妻業』読了
よく出来た落語を聞くような感じ。立川談志の芝浜を何度も聞きたくなるような。
そんなよく出来た話だ。後妻業とはよく名づけたものだ。高齢化社会なんで妻に先立たれた老人に擦り寄って後妻として入り遺産をぶんどるなんてなかなかできない。古き好き日本では簡単に人をだますなんてことはあまり表に出てこなかったが、最近ではオレオレ詐欺に代表されるような人の良心につけ込んで金をだまし取ることが普通に行われている。信じられるものは少なくなったということか。
親戚に若くして認知症となったものがいるが、その財産たるやすごいものがある。この人が結婚願望を持っているので、もしその筋の人と接点を持ったらすぐに全財産を持っていかれるのではないかとかみさんと話している。なかなか暮らしにくい世の中になったものだ。
この小説はあくまでもフィクションなのだけど、その後同じような手口で老人と結婚して財産を奪う手口の犯罪が発覚している。やっぱり事実は小説より奇なりだ。
本当に面白い小説で1日位で一気に読んでしまった。著者には申し訳ないが次作を早く出してもらいたいものだ。

後妻業
後妻業黒川 博行

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