ヤクザと原発 福島第一潜入記
鈴木 智彦著『ヤクザと原発 福島第一潜入記』読了
原発に限らず、大規模な建設工事や土木工事、廃棄物処理なんかはヤクザ関係が絡んでいるとみていい。必要悪なんだろう。うまく付き合えば良いケースも有る。向こうだって商売だから。
この本は著者がヤクザ関係にも詳しく、ヤクザとの知り合いも多いので、その関係も理解しつつ、原発の工事現場に潜入してルポをしてきた話である。福島第一の過酷な工事現場の記述は生々しくて、おそらくそんな感じなんだろうなと思う。
外国と違い、正規雇用者をなかなか解雇できない現実があるので、下請け会社との業務委託が増えることとなる。それが二次請け、三次請けと段階的に中抜き構造となり、ひどい時には六次七次なんてこともある。期間雇用なんてことができるならいいのだろうけど、働く労働者としては安定を求めるからね。
原発の事故収束作業に関して言えば、まだまだ続く作業であるものの、なかなか話題には上らなくなり、事故があった時だけニュースとなるように成ってしまっている。でも、現在も進行形でどこまでも続くものだ。おそらく私が生きている間には廃炉完了にはならないはず。皆関心がなくなっていくけど、常に現在進行形なんだよ。つらいねぇ。それだけ負担がかかっているってことだから。東京オリンピックで盛り上がったとしても、廃炉作業は終わるわけじゃあないからね。
日本人としてはしっかり自覚しなきゃあいけない事柄だよ。
ヤクザと原発 福島第一潜入記 | |
![]() | 鈴木 智彦 文藝春秋 2011-12-15 売り上げランキング : 104431 Amazonで詳しく見るby G-Tools |





| 固定リンク
« ナイト&シャドウ | トップページ | リカ »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント