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御子を抱く

石持 浅海著『御子を抱く』読了
ミステリーのジャンルに入るのだろう。
冒頭から奥歯に物が挟まった感じで語られるが、そこをあえて書かずに、うまくまとめていると思う。
新興宗教ではないが、一人の優秀なサラリーマン管理職がなくなり、そのカリスマ的な管理職に関わった人たちみんなが、その人をある意味信仰してしまい、そのグループができている。一周忌を行うということで、その取りまとめをしている最中からグループの中の対立が生じ、そんな中で交通事故でグループの長老的な人がなくなる。これによってグループ内の均衡が崩れ、最後には殺人事件も起きる。
その中で途中で出てくる御子の存在。それはカリスマの一人息子なのだが、事故があったことによって冷凍睡眠装置に入れられている。この御子をどうやって自分たちに引きこむか、駆け引きと殺人が起きる。
新興宗教としなかったところが面白い。実態は新興宗教みたいなものなのだが。そこにシンボルがあり、三種の神器みたいなもの。それを誰が持つかでグループ内の覇権争いが起きる。面白いシチュエーションだ。それを非常に面白く書いている。
このミス上位間違いなし。

御子を抱く
御子を抱く石持 浅海

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