ミッション建国
楡周平著『ミッション建国』読了
現代の政治を題材に今の日本の問題を解決しようとした作品。
壮大な課題だらけなので、いい解決もなかなかないが、こうなることは昔から想定されていただけに、この10年ほど政争に明け暮れてまともな政治をやってこなかった自民党などの人たちに反省を込めて書いているのではないか。
主人公は青年政治家で親も政治家の二世である。こんな家系で政治家になる国もそんなにないだろう。親が政治家なら子が政治家になるのも変だ。世襲制でもないのだし。優秀ならまだまし。そうでないから困る。
少子高齢化など、今始まったことでもない。昔から平均寿命の上昇と出産年齢の高齢化でちゃんと予想されていたはず。年金が破綻するのだって、予想できたはず。国債の借金漬け体質だって、その時々でこれじゃあまずいと思っていたにも関わらず、やってきてしまったものが積み重なっただけ。今の政治状況ではこれらは打開できないだろう。民主党に一瞬期待したのは、自民党が長年続けてきたものを少しはマシにしてくれるのかと思ったのだけど、役人がついてこれなかっただけ。役人を簡単にやめさせることができるなら、もうちょっとマシになっていたかもしれない。
それもこの特異な労働環境がある。一度雇用したら簡単にやめさせることが出来ないこの国の体制が、すべての保守化、固定化につながっている。これで世界と戦うのは非常に難しい。じゃあ簡単にやめさせることができればいいかというと、それじゃあいらない人が溢れてしまい、困った状況になってしまうだろう。どう、ソフトランディングをするか。抵抗勢力だらけだろうし。
でも、こういった課題もあるのだが、今の政権は集団的自衛権が重要だと思って、閣議決定とかしちゃってるし。確かに中国の脅威はあるけど、こういった武力で均衡を保つのは難しいのだはないか。そもそも中国だって本気で攻めてくるなんてことは自分を破滅させるだけなんだから、そんな馬鹿なことはしないはず。まあ、国が崩壊するくらいの混乱が起きればわからないけど。
うまい解決はないのか。どうなんだろう。このままでいいと思っているわけではないが、なにか手を打とうにもいろいろ問題がありそうで。そう行っている間に、円安になって国債が暴落して悲惨な目になるなんてことはないのだろうか。
平和な国ニッポンは永遠につづくわけではないだろう。
ミッション建国 | |
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