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モンスター 尼崎連続殺人事件の真実

一橋 文哉著『モンスター 尼崎連続殺人事件の真実』読了
三億円とかオウムのこととか著者は非常によく分析して読者にわかりやすいノンフィクションを書いている。この話も、ちょっと前に話題となった尼崎の連続殺人のノンフィクションだ。
ただ、この事件は主犯とされる女性は留置場で自殺してしまった。そのために真実は闇の中に葬られてしまった。そういった事情もあるために、なかなか確認まで辿りつけない内容が多い。
この事件が異常なのは、関係する家族を崩壊させ、家族どうして暴力をふるわせたり、結局自殺か殺してしまうのだが、なかには養子縁組している家族もいたりする。不思議な関係を強要して、資産を奪うというちょっと考えられないことが現実に起きていたらしい。残念ながら、主犯格が亡くなってしまったので、真実が語られずに葬られたということだ。オウムと同じで闇の中ということだ。

モンスター 尼崎連続殺人事件の真実
モンスター 尼崎連続殺人事件の真実一橋 文哉

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家族喰い――尼崎連続変死事件の真相 消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫) 詐欺の帝王 (文春新書) 破戒の連鎖 ~いびつな絆が生まれた時代 やくざと芸能と 私の愛した日本人

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春から夏、やがて冬

歌野 晶午著『春から夏、やがて冬』読了
納得させられるミステリー。ミステリーはこうあるべきって感じかな。
主人公はスーパーの万引き犯担当。娘をひき逃げ事故で亡くし、妻もそのあと自殺し、独り身となる。たまたま万引き犯の女が娘と同い年の生まれだったために温情をかけ、警察に渡さなかったことから交流が生まれる。まあ、そこまでは普通。
女に男がいて、主人公と男の関係をゆすりのネタにしようとする。当然ゆすられたって構わない主人公の状況なので、どうでもいいのだが、主人公にはがんの徴候もみられる。
たまたま女に娘のひき逃げ事故のことを話すと、なんとその事故の当事者がその女だったという。これ以上書くとネタバレになってしまうのだが、真相は闇の中。真実はあるのだが、主人公の心の平安のために女の取った行動とは。
考えさせられる話だ。
著者のストーリーテラーとしての能力に脱帽。非常におもしろいミステリーになっている。
映像化希望。

春から夏、やがて冬
春から夏、やがて冬歌野 晶午

文藝春秋 2011-10
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考証 福島原子力事故 炉心溶融・水素爆発はどう起こったか

石川迪夫著『考証 福島原子力事故 炉心溶融・水素爆発はどう起こったか』読了
本当に知りたかった内容を明確に示してくれる本にやっと出会った。
著者はすでにリタイアした原子力工学の研究者であるが、やむにやまれる気持ちで本書をまとめる気になったことが書かれている。
福島第一原発の事故では、これまで東電や国会、第三者などの書かれた事故報告書が出されているが、どれもこれも科学的な知識を元に何が起きたのかを明確に検証、論証してくれる報告書はなかった。実際に何が起きたのかがわからなければ、これから原子力発電所では何を注意してどうすればいいのかがわからないだろう。でも、今まで政府も何もやってこなかったのだ。
著者は科学的知見と今までの2つの大きな事故(チェルノブイリとスリーマイル)を元に1〜3号機で何が起きたのかを論証している。それは外部データ(例えば原発の入り口の放射線データなど)を突き合わせて実際に数値の変化が起きた時に何が起きていたかを突き合わせるなど、非常に論理的に説明している。
当然ながら、すべてが正しいというわけではないだろうけど、現時点では原子炉の状態は全くわからないので、20年後に原子炉の中を見ることができるまでは想像でしかない。それでも、過去の実例や経験からこうであろうということを明確に述べていて、非常に論理的な説明だ。おそらく90%以上は正しいだろう。
なぜ、2号機を除き、水素爆発が起こったのか。2号機ではなぜ水素爆発が起こらなかったのか。そして、サプレッションチャンバー経由でベントを行い、それなりの効果があったのだが、2号機はベントに失敗して、格納容器の破損まで起きている。それさえなければこれほどまでに広範囲の放射能汚染が起きなかったはずであるという論証はしっかりしていて、理解できる内容だ。
ぜひ、関係者は精読して今後の対策の糧にしてもらいたい。
起きてしまったことの責任を追求する作業は必要だが、事故から得られた知見を将来に活かす作業は人類に与えられた大きな課題である。その反省、課題追求をせずに同じ事故を起こしてしまうことは最も愚かなことである。じっくり読んでほしい。科学的検証とはこういうものである。
この本は読んでよかった。著者に感謝したい。

考証 福島原子力事故 炉心溶融・水素爆発はどう起こったか
考証 福島原子力事故 炉心溶融・水素爆発はどう起こったか石川迪夫

日本電気協会新聞部 2014-03-28
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チャイナズ・スーパーバンク: 中国を動かす謎の巨大銀行 福島第一原子力発電所事故その全貌と明日に向けた提言: 学会事故調 最終報告書 誤解だらけの電力問題 プーチンと甦るロシア 原発事故と放射線のリスク学

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AGAIN

ひさびさのアルバム、そしてコンサート。元気な姿を見せてくれてありがたい。
コンサートは何回かの先行予約抽選に応募するもすべて落選。オークションで高値で取引されているところを見ると、人気は健在。
このアルバムは今の拓郎さんの声でセルフカバーしてある曲と新曲を取り混ぜてある。選曲でこの曲を選んだ理由はどこにあるのかは聞いてみたいけど、拓郎さんのことだから、いま歌いたかった曲なんだろう。おそらくコンサートもこれらの曲が含まれているのだろう。
ただ、内容的には昔の声が出ているときの記憶が耳に残っているので、その音、声からすると落ちているのは否めない。歳も歳なんだから仕方がないとはおもう。さすがに◯ーミンみたいに音が外れることもないので、そのへんはすごいとは思う。
やっぱり昔のCDとかをもう一度聞きたくなってしまうのは私だけではないだろう。
コンサートのDVDが出たら、買うだろうけど、今回はどうなんでしょう。出るの、出ないの?

AGAIN
AGAIN吉田拓郎

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スリーパー

楡 周平著『スリーパー』読了
題名はもともとは眠る人とかいうことだろうけど、組織の中でわからないようにしていて、実はスパイなどをしている人を指すらしい。
次のシリーズの始まりとなるのか、昔非常に面白かったシリーズの登場人物がお年をめして登場するなど、その話とのつながりを出そうとしているのだろう。
そのシリーズを読んでいなかったとしても、単独でも面白い内容になっている。
現代の日本と中国、北朝鮮などの極東アジアの情勢がどう変わっていくのかを背景として、スパイ活動を描いている。実際にはこういうことではないとは思うけど。
なかなか興味深い。次の本に期待したい。

スリーパー (単行本)
スリーパー (単行本)楡 周平

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象の墓場 ミッション建国 レイク・クローバー ライアー 深海のアトム (単行本)

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風ヶ丘五十円玉祭りの謎

青崎 有吾著『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』読了
シリーズに繋がる短篇集。
お祭りで50円玉を使うように夜店に伝達が流れ、その理由を探る話など。
ちょっとひねってあって面白い。前のシリーズを読んでいないと登場人物のキャラクターがわからないかな。でも、この本だけ読んでも面白いところはある。
次の長編に期待したい。

風ヶ丘五十円玉祭りの謎
風ヶ丘五十円玉祭りの謎青崎 有吾

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空耳の森

七河 迦南著『空耳の森』読了
ちょっと気にしていた本。連作?短篇集。
気にしていた割にはちょっと期待はずれ。気にしていたこちらも悪いけど。
過去のシリーズ物のシチュエーションに近いところで起きるミステリーっぽい話が多い。でも、ちょっとな。

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アルバトロスは羽ばたかない 強欲な羊 (ミステリ・フロンティア) 体育館の殺人 七つの海を照らす星 (創元推理文庫) 探偵が腕貫を外すとき

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問題物件

大倉 崇裕著『問題物件』読了
題名と表紙の絵で手にとった小説。
不動産問題を抱える部屋について、主人公の不動産会社女性社員と不思議な犬のぬいぐるみの化身の男が問題を解決する連作短編集。
なかなかおもしろかった。いわゆる問題物件は結構あるようで、過去に自殺があった部屋をなかなか借りてくれる人はいないだろう。自殺でなくても、孤独死してしまったり。最近ではひとりで住んでいる高齢者なんかも多いので孤独死して何ヶ月も立って発見されるなんてざらなんだろう。普通は匂いとかするはずだけど、密閉性とか良くなると余計に匂いも出ないのかもしれない。
不動産会社も結構大変なのね。

問題物件
問題物件大倉 崇裕

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とっぴんぱらりの風太郎

万城目 学著『とっぴんぱらりの風太郎』読了
時代小説。痛快な内容だった。
時代は豊臣の最終盤、大阪城落城のころ。忍者の修行を途中でやめた主人公がひょんなことで豊臣側の仕事をすることとなる。不思議なひょうたんを拾い、仙人のようなものに導かれる。
最後は落城寸前の大阪城で秀頼を逃がそうとするが…。
話が面白いのと背景が面白いのでグイグイ引きこまれて一気の読めてしまう。結構なボリュームではあるが。

とっぴんぱらりの風太郎
とっぴんぱらりの風太郎万城目 学

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村上海賊の娘 下巻 村上海賊の娘 上巻 ザ・万字固め 聖なる怠け者の冒険 王になろうとした男

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