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殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件

清水 潔著『殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』読了
日本の警察はどうしちゃったんだろう。間違った犯人を仕立てて冤罪を作り上げちゃったり、明らかに犯人臭いのに、捕まえられなかったり。組織として疲労してしまっているのだろうか。
DNA鑑定が間違っていたということで、誘拐殺人事件の犯人とされていた方が再審で無罪となり釈放された。そうだとすると別の犯人がいるということで、調べてみると一定の地域で連続した誘拐殺人事件が起きていたことがわかった。なんで大きな話にならないかというと、県をまたがっているため、県警同士の縄張り争いで情報交換も出来ないから、連続性を捉えられなかったとか。
しかも、ひとつの事件で犯人を見つけちゃったから、その犯人に他の犯行もくっつけようとしたけどそれがうまく行かなかった。だから連続ではないということにしちゃった。おかしいよね。
著者はその変な感じを独自の調査で暴き出し、ついに犯人に最も近いと思われる人物まで特定してしまう。なのに、警察は動けない。時効もあるけど。
桶川事件では県警はひたすら事実の隠蔽に走った。隠さなければならない事があったからだ。組織として都合がわるいことが起きると組織を守るために事実を隠ぺいする。これが日本の組織の悪いところだ。過去に行ったことを否定することを極端に嫌う。前例は覆してはいけない風潮がある。それに縛られて、都合の悪い事実は隠ぺいする。
この本に書かれていることはミステリーのフィクションではない。現実に起きた事件なのだ。著者の執念には頭がさがる。こういった記者の方もいるのだ。
真実はなかなか語られないのかもしれない。でも、真実は一つなのだ。

殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件
殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件清水 潔

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桶川ストーカー殺人事件―遺言 (新潮文庫) 殺人者はそこにいる―逃げ切れない狂気、非情の13事件 (新潮文庫) 家族喰い――尼崎連続変死事件の真相 幼稚園バス運転手は幼女を殺したか 消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)

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コモリと子守り

歌野 晶午著『コモリと子守り』読了
舞田シリーズ第三弾。前作の扉書きの通り、17歳で再登場している。
今回は同級生の男の子が絡んでいる。この子が引きこもり状態。これが題名の前半の”コモリ”なのかな。
この男の子がたまたま自分の部屋から見えたアパートのベランダで小さい女の子が虐待されていることを見つける。なんとかしてあげたいが、17歳の男の子ではどうすることも出来ない。知らないからだ。
その後、パチンコ店の駐車場でこの子が車の中に放置されているのに遭遇する。そして、その子を助けるためにプチ誘拐してしまう。それがまた、もうひとつの問題を起こしてしまう。なんとかプチ誘拐は解決されたが、なんと今度は本当に誘拐されてしまった。しかも、別の誘拐事件と連続して。連続して誘拐が起きるなんておかしいのだけど。
結局、それらの誘拐は仕組まれていたことがわかるのだが、いろいろ思いつくよね。著者は。それがうまく描かれているので、あたかもありそうなことになっているところがすごい。
あと、登場人物がいきいきしていて、本当にこういう子たちがいたら、あってみたい気分になるのはすごい。
次は二十歳くらいですかね。どう成長しているのか楽しみだ。

コモリと子守り
コモリと子守り歌野 晶午

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元外務省主任分析官・佐田勇の告白: 小説・北方領土交渉

佐藤 優著『元外務省主任分析官・佐田勇の告白: 小説・北方領土交渉』読了
実名では書けないから、フィクションにしているけど、ほとんど誰のことだかわかるように少しだけ名前をいじっている形にして北方領土交渉の周辺の出来事を小説にしている。
そもそも表紙の絵が著者そのものだし、出てくる人たちも一字違いとか同音の別の漢字を当てたりしている。なかなか外務省の交渉事なんてものは公にされないし、一般人としてはお役人の中でも外務省にいる人達は優秀で国のために身を粉にして働いていると思い込んでいるが、そうでもない。人間だから。そして、組織は必ず疲弊するから。長く続けると必ずおかしなところができてくるものだ。最初は良くても周りの環境は変化するし、人事異動はあるし、人間の能力は均一ではないし。
北方領土交渉がまとまるなんて夢みたいに思ってしまっているが、考えてみれば、領土問題で双方が問題の存在を確認しているのは北方領土だけなんだよね。竹島は韓国が相手にしておらず、尖閣諸島はこちらが問題の存在を認めていない。だから、唯一解決できるかもしれない領土問題なんだよね。
うまいこと行くことを願っているけどね。

元外務省主任分析官・佐田勇の告白: 小説・北方領土交渉 (一般書)
元外務省主任分析官・佐田勇の告白: 小説・北方領土交渉 (一般書)佐藤 優

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舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵

歌野 晶午著『舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵』読了
前シリーズから3歳年をとった主人公が活躍する短編ミステリー。
14歳だから中学生だ。主人公の家庭はちょっと複雑。母親は亡くなったことにしているが、実は生きていて、とても有名人。父親と二人暮らし。公立の中学に通う主人公と小学生の時に同級生で別の私立中学に通う友達とその周りで起こる謎を解決していく。
それぞれの話がなかなかおもしろい。携帯メールによる暗号とか、外人の英語の先生が急に体重を減らしたのだが、その原因を幽霊騒動でごまかそうとするとか、なかなかありそうな話にしてくれている。
この続きがあるんだよね。今度は17歳。期待できる。

舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵 (カッパ・ノベルス)
舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵 (カッパ・ノベルス)歌野 晶午

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国語、数学、理科、誘拐

青柳 碧人著『国語、数学、理科、誘拐』読了
小学校から中学校までの生徒が通う学習塾が舞台。塾生が誘拐されたという通知が塾長にメールで届く。脅迫文もメールなんだね。現代は。
そこに書いてあったものは、身代金は5,000円。全部一円玉にして、講師5名で1,000円ずつ持ち運べ。それぞれ連絡するから携帯電話の番号を教えろ。
なかなかおもしろい設定だ。そしてかかってきた電話には問題の書かれた封筒が置かれた場所が指示され、その問題をとくと身代金を置く場所と集合場所がわかると言うもの。それぞれの講師の得意分野で出題されている。なかなかおもしろい。
問題をといて、集合場所に集まると、塾生は開放されるが別の塾生が誘拐され、もう一つ問題が出される。そっちはちょっとむずかしい問題だ。
ほんわかしたお話で、結構展開も早いので一気に読めてしまった。
自分は塾なんて行かなかった世代だし、お金もなかったので塾には行けなかったのだけど、こんな感じなんだろうね。今の塾とは。なかなかおもしろいミステリーだった。

国語、数学、理科、誘拐
国語、数学、理科、誘拐青柳 碧人

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屋上ミサイル

山下 貴光著『屋上ミサイル』読了
このミス受賞作。
高校の校舎の屋上に集う主人公たち。女子1名と男子数人で屋上部を作る。そこで繰り広げられるいくつかの謎解きとどたばた。面白いといえば面白い。
平行してアメリカの大統領がテロリストに拉致されて、世界各地にミサイルが飛んでくるということをテロリストから宣言されて、大騒ぎをする東京の人たちも描かれている。どうも、この話とのつながりがよくわからない。
これらを合わせて表題ができるのだろうけど、やっぱりよくわからない。

屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)
屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)山下 貴光

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襲名犯

竹吉 優輔著『襲名犯』読了
乱歩賞受賞作。
新人賞みたいなもので、案外乱歩賞の受賞作っていいものとそうでないものとのギャップが大きい。これはどちらか。ちょっといけていない気がした。
猟奇的な連続殺人が起き、その犯人がふとしたことで起きた交通事故からわかってしまい、捕まり裁判のあとで死刑判決が下る。死刑は確定し、刑の執行が執行が行われたあとで、同じような犯行の殺人事件が起きる。今度の犯人は前の犯人とのつながりがあり、その犯人を師と仰ぎ、『襲名犯』として主人公に接触する。
どうもつながりがわからない。ブージャムが事件に関係があるのだが、ルイス・キャロルのスナーク狩りは読んでいないので、ここの結びつきがいまいち理解できない。まあ、私が理解できないだけなんだろうと思うけど。
ちょっと入り込めなかった。簡単に理解できない人間関係からこの事件が生まれているので、難しい設定なのは確か。入り込めないのは理解力不足だろう。

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襲名犯竹吉 優輔

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アクティブメジャーズ

今野 敏著『アクティブメジャーズ』読了
シリーズ第四弾。
このシリーズも外れがない。
公安でスパイもどきをしている警察官の物語。エリート研修を終えて、職場に復帰したところ、ちょうど新聞社の編集者が自殺した事件が起こる。平行して、上司からは同僚の動向を調査するように言われる。この2つの出来事が実はつながっていて、それがロシア関係のスパイの動きと合致していた。
平和ぼけした日本人にはスパイなんてこの国にいるのかと思ってしまうけど、案外そんな動きをしているのかもしれない。できれば巻き込まれないようにしたいところだが。
ここで書かれた内容のようなことが本当かどうかなんて調べるすべもないが、本当だとしたら結構面白いし、いろいろ暗躍しているのねって思える。
次はあるのかな。

アクティブメジャーズ
アクティブメジャーズ今野 敏

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