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神様のカルテ 3

夏川 草介著『神様のカルテ 3』読了
シリーズ3本目。このシリーズにはハズレがない。透き通った水のように体にしみとおる感じの読後感。
前作で一緒に働いていた老医師が亡くなり、一層仕事が忙しくなった主人公だが、新たに敏腕女性医師を引っ張ってきて新しい人間関係が構築されていく。また、同僚の外科医師が大学病院に戻ることとなり、その点でも寂しさがでてくる。
医者に最後はお世話になるのだが、この小説を読んでいても、救急の現場などは毎日が戦場になっている。それを本当に現場の医師が身を粉にして奮闘してくれている様子がよくわかる。でも、やっぱり医者だって人間だ。ずっとそんな生活ができるわけがない。なんとかしてあげたいけど、どうにもうまい解決方法がない。日本人が長生きになってしまったからしかたがないことなのかもしれない。
なるべく医者のお世話にならず、あっという間に最後の時を迎えられたら、本当に幸せかもしれない。

神様のカルテ 3
神様のカルテ 3夏川 草介

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水族館の殺人

青崎 有吾著『水族館の殺人』読了
体育館の次は水族館。館シリーズにするつもりなのか、それでも結構面白かった。
前回の高校生たちのうち、新聞部の面々が取材のために水族館に行き、館長に取材をしている最中に一人の館員が殺されて、サメの水槽に落ちる。サメはその館員を食べちゃうという猟奇的な場面で殺人事件は始まる。犯行の可能な容疑者は11人。その中に犯人はいる。前回登場した風変わりな高校生探偵がいろいろな考察を加えながら、犯人にたどり着く。
前作に比べ、ちょっとお笑いの要素も加え、筆が走っている感じがした。青春小説としてもいいし、ミステリーとしても王道を掴んでいる。最後に意外な犯人がわかるが、その動機がまた奇抜といえば奇抜。それだからあそこで殺したんだねって感じか。
よく出来た小説であり、今回いろいろ次のネタを仕込んでいたみたいなので次がまた期待できる。今度はどこを舞台にするのかな。

水族館の殺人
水族館の殺人青崎 有吾

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64(ロクヨン)

横山 秀夫著『64(ロクヨン)』読了
このミスランク一位。評判通りのミステリー
主人公は県警の広報担当。自身の娘が家出して、行方不明になっており、それで家庭は崩壊気味となっている。片や、14年前に起きた誘拐殺人事件が未解決であり、その関係者が事件解決に向かう。
途中県警内部の組織的な話もあり、警察庁長官が誘拐事件宅に訪問するという話とか、交通事故の加害者の氏名を報道するかどうかなど、いろいろ細かい事件も絡み合ってくる。
そんな中、14年前の誘拐事件を模した誘拐事件がまた起きる。その裏には犯人を特定するために14年間かけて無言電話をしていたとか。その無言電話に振り回される人たちもいた。
最初、なんで14年前の未解決の誘拐殺人事件のことが急に動き出したのかと思って違和感があったのだけど、結局は犯人を特定するために地道というか途方も無い作業をして、犯人を突き止めた経緯があり、その延長線上で新たに誘拐事件もどきを作り出して犯人を追い詰めるという凝った展開となっている。
長い小説だが、いろいろ絡み合った伏線を一つ一つ解いていく作業が面白かった。やっぱり横山さんのミステリーだった。

64(ロクヨン)
64(ロクヨン)横山 秀夫

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体育館の殺人

青崎 有吾著『体育館の殺人』読了
第22回鮎川哲也賞受賞作。
なんか受賞作を次々読んでいるみたいだが、この本は表紙のイラストに惹かれたので。題名だけだったら、ちょっとダサくて手に取らなかったかもしれない。
高校の旧体育館であたかも密室のような状態が作られて、放送部の部長が殺される。周りには結構生徒などがいたはずだが、決定的な犯人は見つからず、意外な犯人を突き止める。そして、その犯人も実は仕組まれたものだった。
なかなかどろどろした動機でどうなんだろうと思ってしまうけど、高校の部活の雰囲気とか生徒たちの情景とかけっこう面白かった。
続きというか館シリーズがあるみたいなので、それを続けて読む予定。

体育館の殺人
体育館の殺人青崎 有吾

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名探偵の証明

市川 哲也著『名探偵の証明』読了
第23回鮎川哲也賞受賞作。
名探偵が年老いて、次の世代の名探偵と事件を解決する話。ミステリーっぽいところもあるけれど、どちらかと言うと年老いた名探偵だった男の苦悩を描いているのかなぁ。
ちょっと視点を変えたミステリーという意味ではなかなかおもしろいところもあると思う。

名探偵の証明
名探偵の証明市川 哲也

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追憶の殺意

中町 信著『追憶の殺意』読了
この小説も40年前くらいの作品だろう。でも全然色あせていない。
自動車教習所を舞台とした連続殺人事件。ある意味意外な人物が犯人だった。
きっかけは自動車教習中の事故だったのだけど、それを隠すためにさらに何人か殺してしまうのはなかなかないね。質としては非常にいいミステリー。
自動車教習所といえば、今の人達なら一回は行っているのではないだろうか。現在はお客争奪戦をしているので、サービスは良くなっているのだろう。うちの息子のところなんかはわざわざ勧誘に来たぐらいだから。でも昔はそうではなかった。
愛想の悪い教習員がひたすらダメ出しをしてくる。こちらは初めて車を運転するんだからできなくて当たり前。それを駄目だししてくる。怖い教官もいたわ。口が悪いというかなんというか。もう二度と行きたくないところの一つだろう。若いころに路上教習で午後のまどろむ時間だったせいか、教官が居眠りしたもんだから、わざと道路の穴に落としてやって起こした記憶がある。憎たらしかったね。
これも衰退してしまった業界だろう。それにしたがって、ドライバーの運転技術は年々落ちてる気がする。下手くそなドライバーが増えたよね。
昔はよかったのにって思うってことは自分も年取ったってことだ。

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象の墓場

楡 周平著『象の墓場』読了
写真用のフィルム業界の衰退を描いた小説。
技術革新とともになくなっていったものは数多い。レコードやそのプレーヤー、レコード針なんてものは一気にCDに移行してしまって、すでに押入れの肥やしになっている。なかなか捨てられないものだ。ほかにはVHSのビデオテープ。おそらくまだどこの家庭にもあるだろうけど、すでにVHSプレーヤーが壊れて動かない。
フロッピーディスクなんてものもなくなっちゃった。昔は8インチとか5インチのペラペラのものが3.5インチになってプラスチックのカバーが付いて結構重宝したもの。これもまだ棚の上に乗っているけど、すでにパソコンにはFDDがない。
この小説にでてくる民生用のフィルム、印画紙、カメラ店なんてものは一気になくなった部類だろう。一時期価格競争で現像代無料とかそんなこともあったのだけど、いまどきフィルムで写真なんてマニアしかやらないでしょう。デジタルカメラが一気に性能が良くなって、銀塩と遜色なくなってしまったからね。
こう考えていくと、ずっと続くものなんて案外少ないのかもしれない。だから、高校や大学を出て会社に入って、その会社に定年まで勤めるなんで非常に難しくなっているのだろう。
しかたがないことだ。科学の進歩と人類の欲望の結果なのだから。

象の墓場
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