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不格好経営―チームDeNAの挑戦

南場 智子著『不格好経営―チームDeNAの挑戦』読了
たまたま図書館の棚を眺めていた時に見つけた本。意外におもしろかった。
著者は世界的なコンサルティング会社をやめて会社を作り、途中で夫の看病のために社長を辞めた方。
DeNAを巨大なコンテンツ企業に育て上げた経過はなかなかおもしろい。単にアイデアだけでなく、元々のコンサルティング会社にいるときに築きあげた人脈をうまく使って、会社を育て上げている。つくづくアイデアだけでなく、情熱だけでなく、やり方も大事なのだと思う。
夫の看病のためにあっさり会社を辞めたわけだが、そもそもある程度の期間で社長はやめようと思っていたとか。それもすごい。よく企画段階で出口戦略をちゃんと立てておくようにと言われるのだが、まさにそのとおりにしている。
また、社長業についても多く語っているが、要は決定する仕事なのだと。すべてが正しい選択をするというわけにはいかないのだろうが、なるべく正しいと思われる選択肢を選んで、選んだ途端にその選択肢が正しくなるように仕事をするのだと。非常に面白い。社長というのはそうあるべきなんだろうね。
まったく期待せずに読もうと思った本だが、自分にとっては非常に参考になるものだった。できればもっと若い時に読んでいたら、もっと違う選択を私もしたのではないかと思ってしまう。そのくらい強烈なインパクトを与えてもらった。

不格好経営―チームDeNAの挑戦
不格好経営―チームDeNAの挑戦南場 智子

日本経済新聞出版社 2013-06-11
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リバーサイド・チルドレン

梓崎 優著『リバーサイド・チルドレン』読了
デビュー作がなかなか良かったので。この本もこのミスでランクインしている。
主人公はとある理由があってスラム街に住むようになった日本人の男の子。ごみの山にいって、ペットボトルなどの資源となるものを拾い集めて暮らしている。
そのグループで殺人事件が起きる。だれが殺したのか。なぜ殺されたのか。ミステリーの要素とスラム街に生きる人達の情景がうまくマッチしてなかなかおもしろい小説になっている。

リバーサイド・チルドレン (ミステリ・フロンティア)
リバーサイド・チルドレン (ミステリ・フロンティア)梓崎 優

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名もなき人たちのテーブル

マイケル・オンダーチェ著『名もなき人たちのテーブル』読了
どこかの書評で絶賛されていたので読んだ。
ちょっと期待はずれだった。
インドからイギリスまでまだ子供の主人公が一人で船で旅をする間におきる出来事を書いているのだが、まさに純文学って感じでもっと冒険的な話があるのかと思ったけどそうでもなく、淡々とそこで出会った人たちや同年代の仲間たちとの思い出の話になっていて、この本の良さがわからなかった。
私には合わなかったって話。

名もなき人たちのテーブル
名もなき人たちのテーブルマイケル・オンダーチェ 田栗 美奈子

作品社 2013-08-27
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わたしたちが少女と呼ばれていた頃

石持 浅海著『わたしたちが少女と呼ばれていた頃』読了
著者のシリーズの中で碓氷優佳シリーズというものがあって、その主人公優佳さんの高校生時代を描いた連作短編集が本作。非常に面白かった。
中高一貫の女子高校に高校から入ってきた主人公が入学するところから始まる。学校にまつわるちょっとした謎を主人公と周りの女子生徒が明らかにしていく様子は面白い。
この本だけ読んで、青春ものとしてもおもしろい。女子校特有のところもあるし、高校生だからというところもある。理詰めで謎を解いていくところは著者の最も得意とするところ。非常にわかりやすく、おもしろい。残念ながら、卒業でこの本は終わってしまっているので、続きようも無いがこういった青春小説もいいんじゃないかと思った。

わたしたちが少女と呼ばれていた頃 (碓氷優佳シリーズ)
わたしたちが少女と呼ばれていた頃 (碓氷優佳シリーズ)石持 浅海

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三階に止まる 彼女が追ってくる (碓氷優佳シリーズ) 届け物はまだ手の中に カード・ウォッチャー この国。 (光文社文庫)

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盤上の夜

宮内 悠介著『盤上の夜』読了
将棋、囲碁、チェッカーゲーム、麻雀などを取り上げて、SFを描く短編集。
チェッカーゲームがコンピュータで解析されて、両者が最適な手を打つと引き分けになることが証明されているとは知らなかった。そのほか、将棋は難しすぎる。麻雀は偶然と相手の動きによって結果が全く変わってしまう性格らしい。
いずれも深くやっていないのでさわりしかわからないが、SFの雰囲気の中で面白い短編集だった。

盤上の夜 (創元日本SF叢書)
盤上の夜 (創元日本SF叢書)宮内 悠介

東京創元社 2012-03-22
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アリス殺し

小林 泰三著『アリス殺し』読了
このミスベストテン。
年末年始の読書週間で一気に何冊か読んだ中の一冊。
このミステリーは『不思議の国のアリス』が夢の中で展開する。そのためこの本(不思議の国のアリス)を事前に一度読んでおくと、本編がよけいに楽しめる。
夢に中で登場人物と合い言葉を決めようとするところから始まる。ここで”スナークはブージャム”という下りが出てくるがこれはまさに不思議の国の話だ。そこで殺人事件が起きる。正確には登場人物は人間ではないこともあるので殺人ではないが。そうすると夢から覚めた世界でも誰かが亡くなる。それが夢の不思議の国と結びついているらしい。
さて、犯人はだれか。アリスは大丈夫なのか。アリスを殺そうとする魔の手が迫ってくる。
意外な落ちが待っている。それにすっかりだまされる。
結構面白いが、冒頭で書いた様に不思議の国のアリスを先に読んでおけばもっと面白く読めるはず。だまされてください。

アリス殺し (創元クライム・クラブ)
アリス殺し (創元クライム・クラブ)小林 泰三

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原発ホワイトアウト

若杉 冽著『原発ホワイトアウト』読了
話題の本だったので。
3.11後の電力業界をめぐる状況をほぼ実態として表している。
実際に利権がからむとそこに依拠している人たちはしがみつく構造となるのは必然であり、国会議員の一票の格差是正ができないのは当たり前のこと。さらに上からどかんとおとしてつぶす役割のものがないと内部から痛みを伴う改革などできるはずがない。
今の日本の官僚の役割や組織構造は戦後の長い政治形態のなかで培われてきたもので、もはやいろいろなところで絡み合っており、簡単に崩すことが出来ない状況なのだろう。今回の震災はもしかしたらその構造自体を変えるチャンスだったかもしれないが、結局はお上は決められたことはしっかりできるが想定外ことが起きた場合には全く機能できなかったことを露呈しただけだった。
残念ながら、いまこの日本に生きている国民としてはこの状況下で生きるしかない。もしかしたら、憲法を改正して、軍隊を持ち、徴兵制を復活することだって出来る状況になっている。首相がそう決断すればいいだけだから。なんかこれでいいのかと思ってしまうけど、世の中は戦後のレジームがそのまま続くと思っているのだ。いつも転換点に来ていると思ってしまうが、未来に過去を振り返ってみたら、ここがそうだったかもしれない。
最後のエピソードで原発の手前のいくつかの鉄塔が爆破されて全交流電源損失が起きることを示しているが、本当に鉄塔って大丈夫なのかな。今回福島では土砂崩れで鉄塔が倒れたことによって交流電源が喪失し、そのあと津波でやられてしまったのだけれど、その辺りの検証をもっとしっかりするべきではないのか。過去から学べるものがもっとあるのではないかと思ってしまう。

原発ホワイトアウト
原発ホワイトアウト若杉 冽

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ロスト・ケア

葉真中 顕著『ロスト・ケア』読了
このミスベストテンなので、読んでみた。
いろいろ考えさせられる話をミステリーにしている。身につまされる話題だ。
介護される人を次々と殺していく犯人。それによって助かる人も出てくるなんて、つらい。
介護される状態の人だからといって、そう簡単に殺せることも無いと思うけどね。
なかででてくる、予想することが出来た未来に対して何もしてこなかったからこの状態になってあわてているという下りは今を生きる日本人にとってはつらい話だ。このような高齢化率になることは何十年も前からわかっていたし、そうなったら、介護される人が増えていって、どうしようもなくなるだろうということもわかっていたこと。ある意味想定出来たことなのだが、それに対して手を打ってこなかったからこんな状態になってしまった。
人口の年齢バランスが崩れ、しかも富は高齢者が多く持ち、若年者はいっそう厳しい暮らしをしている。労働力としても高齢者が仕事にしがみつくので、若者が仕事に就くことが出来ない。なんかどこかバランスが崩れている。もっと年の多い人からお金を取るしか無いのかもしれないが、先が見えない不安から年寄りはお金をため込むしかないのだろう。
どこかおかしくなっているんだろうね。

ロスト・ケア
ロスト・ケア葉真中 顕(はまなか・ あき)

光文社 2013-02-16
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検察側の罪人 美人薄命 リカーシブル リバーサイド・チルドレン (ミステリ・フロンティア) 教場

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