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龍の契り

服部 真澄著『龍の契り』読了
ひょんなことから読むことになった作品。
昨年はかみさんと上海に、そして会社の仕事で台北に行ったのだけど、今年は海外に行けなかった。次はどこに行こうかと旅行会社のパンフレットを見ていて、香港・マカオが案外安く、しかも富士山静岡空港出発で行けるツアーがあったので、下準備で『地球の歩き方 香港』を借りてきてぱらぱら見ていた。その中で、香港に行くならこの小説がおすすめで出ていたのが、この小説。
香港の返還にまつわるイギリスと中国の問題で、なぜ、イギリスは1997年の返還を簡単に認めてしまったのか。直前まで返還するつもりなど全くなかったのに。
そこに毛沢東の密書が存在し、当初イギリスはそれをタテに返還を拒もうとしたのだけど、返還交渉の直前にこの密書が行方不明となり、火事で燃えたという情報もあってそれで切り札を無くしたことによって、返還阻止をあきらめたという話をベースとして、イギリス、中国、日本、アメリカのそれぞれのスパイや政府関係者が巻き込まれて暗躍する。
非常にストーリー展開がスムーズでぐいぐい引き込まれる感じで面白かった。これが著者の処女作で1000枚を越える長編だということに驚いた。とても新人の作とは思えない。また、国際情勢やその他社会情勢、エレクトロニクス関係の情報など非常に正確でおかしな記述が無いのもすばらしい。
これまで自分が著者の小説を読んできなかったのが残念だ。これから少しずつ読んでいきたいと思う。

龍の契り (新潮文庫)
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コメント

難しいと言われる一枚張りを短時間でやってのけた方の作品! スパンコール使いがうまい!

投稿: iphone5ケース レザー | 2013/11/27 12:36

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