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ラブ・リプレイ

喜多 喜久著『ラブ・リプレイ』読了
前作はこのミス受賞作で、その関連かと思ったけど、ちがうお話。
いわゆるタイムトラベルもので、過去にもどってやり直す系。一番近いのはアニメ化された時をかける少女かな。
主人公は東大に通う大学院生の女性。バレンタインデーの朝、大学にいくと教官室で幼なじみの一緒の研究室の男性が亡くなっている場面に遭遇する。そこから、どこからか現れたこの世のものとは思えぬ男の誘いで過去にさかのぼってやり直すことになる。
やり直せるのはトータルで10回。9回やって、一番いい未来を最後に1回やって未来を作り直す設定。ちょっと強引だけど。
登場人物が同年代の男女で、それぞれ誰かが誰かを好きなんだけど告白できない設定と、そこで登場する惚れ薬。さすが化学を仕事としている著者が非常にうまく現代化学をマッチさせて惚れ薬を合成することに成功する。それをめぐる、さらにバレンタインデー前夜、何回かやり直すたびに誰かが亡くなる状況が生まれ、何度もやり直すが、そのうちにリミットが来る。通常は9回やってそのうちに一番いいと思われる回を10回目にやるのだが、その10回目もチャレンジに使ってしまう。そして、最後の回には悲しい結末が・・・。
これで終わってしまうのかと思ったら、ここから大どんでん返しがもう一回。
読んでいって先に進むたびに、このお話終わらなければいいのにと思ってしまった。けっこう面白い小説になっている。これってドラマ化できるんじゃない。ちゃんとミステリーになってるし、ラブコメの要素もあるし。
久しぶりにほわんとする読了感だった。

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ラブ・リプレイ (『このミス』大賞シリーズ)喜多 喜久

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