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三階に止まる

石持 浅海著『三階に止まる』読了
短編集。著者はミステリーの短編を書かせたら、いま一番の作家。この本も間違いない。
冒頭は観覧車に乗る二人。いきなりプロポーズから始まるが、観覧車は一周回る間になぞの解説を行う。論理の破綻も無く、すばらしい、
表題作はマンションのエレベータでなんでかわからないが3階に必ず止まるエレベーターの話。ちょっとオカルトがかっているが、面白い発想で良かった。
まったくはずれが無いというのはどれを取ってもいいということ。気持ちよく読める。

三階に止まる
三階に止まる石持 浅海

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『完全にブロックされている』とはどういう意味か

先日のオリンピック招致の安倍首相の発言が気になってしょうがない。
福島原発での汚染水は『完全にブロックされている』とはどういう意味か。
本日国会でもそのように答弁されたとか。
まず、この発言が科学的な意味で真実を述べていないということは世の科学を学んだ人ならわかるはずだ。もし、これが間違いだというのなら、ここに書いた内容はすべて間違いでお詫びして訂正しなければならない。そもそも外界のオープンスペースにおいて、閉鎖的な空間を作るためにはものすごい労力がかかる。実験室でフラスコの中で済む話ではないのだ。
この事実に基づき、安倍首相が発言したことを解釈してみる。
(その1)
首相の周りには情報を『ブロック』する輩がいて、間違った情報を流していて、それを安倍首相は盲目的に信じてしまってこの発言をしている。
そうだとすると、裸の王様ということだ。しかも、全く間違った情報からしか判断できない環境にいる、しかも一国の首相が。もはや、太平洋戦争末期と同じ状況になってしまう。
(その2)
正しい情報は届いているが、あえて国民をそして全世界の人を安心させるため『ブロックしている』と嘘をついた。
嘘も方便ということわざがあるが、言っていい嘘と悪い嘘がある。全世界の人に対して嘘をついている。日本人は嘘つきだと公言しているようなものである。もし、そうであるなら、恥ずかしいの一言だ。日本人を貶めようとしているに違いない。
(その3)
そもそも正しい情報が届いているが、首相はその内容も理解できないので、適当に『ブロックしている』と言ってしまっている。内容がわからないので、嘘をついているのではない。理解できないだけ。これもたちが悪い。物事の正しい内容もわからない人が首相をしている国だとすると、もしかすると隣の国と戦争を始めるかもしれない。そうか、だから憲法を変えて、軍隊を持とうとしているのか。そうだとすると日本は破滅の道を歩んでいるのだろう。

ちょっと考えてここまで書いてきたが、いずれにせよ、だめだ。どう進んでもだめ。

その昔、ロッキード事件というものがあって、そのときに流行語に『記憶にございません』というものがあった。大の大人が、しかも政治家など本当は立派な人たちが、国会の証人喚問で記憶にございませんというのである。テレビ中継までされていて。この事件から世の中は少し変わった気がする。要は、知ってても記憶にございませんと言えば通用すると刷り込まれたのだ。実際には悪いことをやったのだとしても、記憶に無いと言えばまかり通るということをテレビで中継してしまったのだ。
あれから30年以上。今年の流行語に『完全にブロックしている』が入らないことを祈っている。

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最高の銀行強盗のための47ヶ条

トロイ クック著『最高の銀行強盗のための47ヶ条』読了
最近のアメリカの小説はみんなこんな感じのハチャメチャなんだろうか。
主人公は親子の銀行強盗。しかも子供は娘だ。娘が少女の頃から銀行を狙って強盗しているなんてありなのか。
しかもそのまま少女は大人になってるし、それまで捕まらなかったってことか。
まあ、小説だから許せるけど、こんなに普通に銀行強盗に襲われたら銀行だってたまらんだろう。
父親があまりに簡単に人質とかを殺しちゃうものだから、娘が反乱を起こすが、知り合った男とともにまた強盗をやっちゃうところはどうなんだろう。
アメリカンコメディーとしてはこんなもんだろうか。

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凍土の密約

今野 敏著『凍土の密約』読了
シリーズ物を順に読んできたのだけど、どうも読んだ気がするなと思ったら、やっぱり過去に読んでいた。シリーズ第三弾だったのだが。
お話はまた、ロシアに絡む人たちが同じ手口で殺されていくという状況で公安警察もロシア関係の犯人と目される人物を追っていくのだが、殺人の同期が実は太平洋戦争末のソビエトとアメリカの領土争いにまつわる文書だということが最後の最後にわかる。それまでが長いんだけど。
そこにスポットを当てたかったのだとすると、ちょっと前が長過ぎ、後が短すぎ。
まあ、面白い小説だからすなおに読めるのだけれど。

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白夜街道

今野 敏著『白夜街道』読了
公安警察外事一課シリーズの第二弾。
今回はロシアのあの暗殺者がまた来日してボディーガードを行うところからはじまる。そのときに外務省の役人が殺され、犯人を追って主人公の公安刑事がロシアに飛ぶ。
ロシアでは同じ様にボディーガードをしていた会社社長が脅迫され、へんぴな田舎まで一緒に行くことになる。そこで、会社社長、暗殺者、暗殺者を殺そうとする雇い主、日本の警察一行が入り乱れて、逮捕劇を繰り広げる。結局狙いは仲間の足に引っ張り合い的なところもあり、なんとなく丸く収まってしまう。
ロシアは社会主義から民主主義に変わったのだけど、エネルギーなどの主要産業はまた国営となり、昔と同じ様になりつつある。権力を持つと離したがらないのはどこも同じ。そしてその権力をつかって独裁的になる。うまく回っているうちはいいし、独裁者が非常に優秀なときには特に問題ないんだけど、プーチンってどうなんだろうね。

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ラブ・リプレイ

喜多 喜久著『ラブ・リプレイ』読了
前作はこのミス受賞作で、その関連かと思ったけど、ちがうお話。
いわゆるタイムトラベルもので、過去にもどってやり直す系。一番近いのはアニメ化された時をかける少女かな。
主人公は東大に通う大学院生の女性。バレンタインデーの朝、大学にいくと教官室で幼なじみの一緒の研究室の男性が亡くなっている場面に遭遇する。そこから、どこからか現れたこの世のものとは思えぬ男の誘いで過去にさかのぼってやり直すことになる。
やり直せるのはトータルで10回。9回やって、一番いい未来を最後に1回やって未来を作り直す設定。ちょっと強引だけど。
登場人物が同年代の男女で、それぞれ誰かが誰かを好きなんだけど告白できない設定と、そこで登場する惚れ薬。さすが化学を仕事としている著者が非常にうまく現代化学をマッチさせて惚れ薬を合成することに成功する。それをめぐる、さらにバレンタインデー前夜、何回かやり直すたびに誰かが亡くなる状況が生まれ、何度もやり直すが、そのうちにリミットが来る。通常は9回やってそのうちに一番いいと思われる回を10回目にやるのだが、その10回目もチャレンジに使ってしまう。そして、最後の回には悲しい結末が・・・。
これで終わってしまうのかと思ったら、ここから大どんでん返しがもう一回。
読んでいって先に進むたびに、このお話終わらなければいいのにと思ってしまった。けっこう面白い小説になっている。これってドラマ化できるんじゃない。ちゃんとミステリーになってるし、ラブコメの要素もあるし。
久しぶりにほわんとする読了感だった。

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