ミリオンセラーガール
里見 蘭 著『ミリオンセラーガール』読了
まったくたまたま手にした本。予想外に面白くて一気に読んでしまった。
主人公は出版社に新入社員として入社した女子。専門学校を出て一度アパレルショップに就職するが、すぐにリストラされてしまった。なんとかもう一度就活して、ファッション雑誌を出版している出版社に入るが、なんと配属させられたのは販売促進部。いきなり書店周りをすることになる。
最初は何となく営業のまねをしていたが、そのうちに店員さんとも仲良くなり、書籍販売の独特な商売がわかってくる。委託販売方式というやつだ。そこから、編集者と協力して新人作家の小説を売り込みをかける。10万部ミリオンセラーを目指すと言う。この女の子が成長していく過程を非常にエネルギッシュに書いている。躍動感があって面白かった。
背景にある出版不況がまたいい。自分なんか読む本の95%は図書館で済ませているので、最近はなかなか書店にも行っていない。読みたくなって図書館にも入らない本はアマゾンで済ませているもんな。あとはブックオフの100円文庫か。
書店に行っても、面白い本がないのだ。うちの近所には。雑誌の立ち読みぐらいしかしていない。この本の中には本を一生懸命売ろうとしている書店員さんがでてくる。こういった本の好きな&本を売ることが好きな書店員さんがいる店では楽しくなるんだろうけど、うちの近所の書店なんか開店後の客が入ってきてから本を棚に並べているんだぜ。どうしようもない。こんな書店では売れないのもわかる。お店がこんなんじゃ本が売れないわけだ。そして閉店していく本屋ばかりだ。しかたがないといえばしかたがない。
この本は面白かった。本の流通や本屋の今、出版社が何を考えているかの一端がわかる。とても面白かった。
ミリオンセラーガール | |
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