死の壁 (新潮新書)
養老 孟司著『死の壁 (新潮新書)』読了
生き物は必ず死ぬという絶対的な真理を現代人は忘れてしまっている。忘れようとしているという方が正しいか。でも、逃れられない事実。
著者は解剖学を職業としている関係から人の死と多く接しており、その中でいろいろ考えてきたものを表したものは本書だ。非常に読みやすかった。
中でも太平洋戦争末期の陸軍の兵隊が既に死を意識してしまっているから、まったく怖いもの知らずになってしまい、あの戦争をあそこまでひどいことにしてしまったという下りはうなずいてしまった。
今の私たちは人の死が身近になくなり、ちょっと自分が遠い(近いかもしれないが)将来に死ぬのだということを忘れてしまっている。本当はみんな知っているのだけれどあえて言わない。小学生に人はなぜ死ぬのかとか聞かれると答えに窮する。けど、答えは知っている。みんな生きているからだ。生きているから、近い将来死ぬ場面が来る。
さて、その将来のことは深く考えずに、今出来ることをするしかないのが我々だ。では何をすればいいのか。それが問題だ。
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