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日本最悪のシナリオ 9つの死角

『日本最悪のシナリオ 9つの死角』読了
福島第一原発の独立報告書をまとめた日本再建イニシアティブがまとめた本だ。
9つのシナリオとは尖閣、国債暴落、首都直下地震、サイバーテロ、パンデミック、エネルギー危機、北朝鮮崩壊、核テロ、人口衰弱だ。どれもこの何年かのうちに起きるかもしれないし起きないかもしれない事象だ。それについての考察を物語風にしている。なかなか興味深い。
東日本大震災と福島第一原発の事故は我々に想定外の事象に対する対応と言う課題を投げかけた。東北沖の地震は想定内かもしれない。また地震の後に起きる津波も過去の事象からしたら想定内かもしれない。だが、これほどまでの規模の災害になるとは考えられていなかっただろう。さらに原発の全交流電源喪失が長時間続き、さらに非常用電源設備がすべて使えなくなる事故が起きるということは考えていなかった。想定していなかったから、その後の対応がすべて後手後手にまわり、状況をさらに悪化させてしまった。
その反省から、いま考えられるリスクをあげて一度考えてみて課題を整理する本書のアプローチはすばらしい。本書の中にも出て来たが日本人はゆでガエル状態になってしまっているのではないか。じりじりと状況が少しずつ変化することに対してなかなか対応できない。そして手遅れの状態になる。年金問題しかり、財政問題しかり、医療の問題もしかり。行政は問題が起きたことに対して法律を作って次のケースには対応できる様にするが、今問題が起きようとしていることに対する対応能力が低い。全くないとは思いたくないが。想定だけはしておきたい。そうすれば少しはましな対応が出来るはずだ。
国会議員には本書を読んでほしい。

日本最悪のシナリオ 9つの死角
日本最悪のシナリオ 9つの死角財団法人日本再建イニシアティブ

新潮社 2013-03-15
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