レベル7 福島原発事故、隠された真実
『レベル7 福島原発事故、隠された真実』読了
震災の日から、最悪の事態が回避されるまでを克明に記述した本。
それ以外にも、危険な原発が作られた経緯を詳しく追っている。
過去を振り返ることが出来るようになってよかったと思うが、つくづく何も準備がなされていなかったところに想定外の事象が起こってしまい、それに対して適切な対処ができず、後手後手に回っていた対応がよくわかる。
何事も準備が大事。いきなり準備体操もせずにそれなりの大会に出て、3位以内に入りなさいと言われているようなものだ。
しかし、本当に何も準備がされていなかったのだろうか。怠慢とか放漫とか想定外とかいろいろ言葉はあるけど、法律などの取り決めで訓練はやっていたはずなのに。そこまでの想定はしなかったということか。そうすると一事が万事心配となる。人間のやることには限界がある。一度にいろいろなことを処理しようとすると必ずミスをする。翻って考えると、同じ場所に原子炉を3つも4つも作っちゃうことがいけないことだったのではないか。まあ、今回は一つでもだめだった可能性があるが。
すべての電源が使えなくなったことが今回の問題を大きくしてしまったことのように思えるが、そもそも津波で電源系が水をかぶってしまったので、仮に非常用電源設備が機能したとしても電源供給がだめだったのではないのか。そのあたりがわからない。水をかぶったことが最大の問題なら、今ある原発全部に対して、気密性の向上策を取ればよくなる。必要な電源車が確保できなかったことが悪いなら、事前に用意しておくとか、今回の事故の原因調査や適切な対応はどうあるべきだったのかの調査がしっかりされているのかがわからない。それがないと何を対策するべきかわからない。だったら、原発は動かさなければ良いということになっちゃう。
なんか、もっと科学的なアプローチで説明してくれないと、原発の再稼働に理解は得られないと思うのだが。
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