転移
中島 梓著『転移』読了
亡くなったのが2009年5月なので、もうすぐ3年になるのか。
ガンが見つかって、手術を終え、肝臓に転移が見つかって、亡くなるまでの1年ぐらいの闘病日記みたいなもの。
読んでいてつらくなるが、文才のある人は日記もすごい。読ませる力がある。
結構食が衰えてきて、食べれなくなり、痛くなり、おなかが張ってきて、すごい状態になってもちゃんと書いていたのがすごい。合わせて、バンドでコンサートみたいなこともやり、シリーズ物の小説を書き、家族のご飯の心配をし、母親の心配もし、普通に暮らして行こうとしていたのがよくわかる。単なる病人となって寝たきりや散歩だけでしているのではなく、普通の生活を継続して行く努力をしていたのだ。
ただ、ガンはどんどん体力を奪って行き、最後は昏睡状態となって、あの世に召された。
グインの結末まで書ければ良かったのだろうが、そういう遺書みたいなことはしたくなかったから、普通に続きを書いていたのかもしれない。まあ、不世出の物書きだったのだろう。
改めて、ご冥福をお祈りしたい。
転移 | |
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