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県立コガネムシ高校野球部

永田 俊也著『県立コガネムシ高校野球部』読了
たまたま手に取った小説。表紙の絵につられて。
『もしドラ』と似たような展開をする高校野球の物語だ。私怨から、急に高校野球部の部長にしゃしゃり出てくるIT企業の女社長や、昔強剛だったが今は落ちぶれて、このところ全く価値のない県立高校など、設定がおもしろい。
端々に出てくる、高校野球の根性論や意味のあまりない経験ルールをビジネスの世界の常識でばしばし切り捨てて行くのはなかなかおもしろい。ビジネス書として読んでも面白いのではないか。
結局県の予選決勝で優勝候補に勝ってしまうところでおわるが、たしかにちょっと終わり方は良くないかもしれない。勝てない終わり方でも良かったのではないかと思う。
もしドラが世に出ていなかったら、もしかしたら結構売れたような気もする。まあ、一気に読める流れなので、高校野球に興味がある人もない人も読んでみればいいと思う。

県立コガネムシ高校野球部
県立コガネムシ高校野球部永田 俊也

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震災後

福井 晴敏著『震災後』読了
書評で話題となっていたので、借りて読んだ。
割としっかりとした情報の元に、震災後の今をしっかり書いた小説。
主人公は中学生の男の子と小学生の女の子のいる関東近郊に住む父親。この父親が健在で、同居しており、昔は防衛省に勤めていて、退官となっている。
震災後、子供がPSTDとなり、ゴールデンウィークを利用して、家族で震災の片付けのボランティアに行ったりするのだが、逆に被災者に心を救われる情景はまさに今のことだろう。
そして、中学生の息子から『未来を返せ』と言われる大人たち。確かにこんな世の中にしてしまって申し訳ない気持ちになる。当面原子力発電所は再稼働できないかもしれない。それで、暮らしはどうなるのか。日本は資源のない国だ。もの作りで成り立っているとはいえ、要は加工をしているのだ。加工には電気がいる。その電気が十分に利用できない状況になってしまっている。
太陽光発電とかスマートグリットとかきれいなこと言っているけど、それらがまともになるのにはまだ何年もかかるだろう。しかも太陽光発電なんで安定しない電力は使うのが難しいだろう。まだまだ技術開発が必要だ。電気の効率的な貯蔵技術も必要だろう。太陽光なんて昼間の数時間しかまともに発電できないのだから。
これから10年くらい、非常に大変な世の中を暮らして行かなければならないのだ。そんな世の中にしてしまったいまの大人たちが、これからの世代に対して償いをして行かなければならないのではないか。

考えなければならないことはいっぱいある。やっていかなければならないこともいっぱいある。それなのに、大人の国会議員たちは時間ばっかり浪費して、前に進めない。恥ずかしくなる。
暫定策とともに、恒久的にフクシマを活かして行くことも考えないと。日本全体で考えなきゃだ。がれき処理でとやかく反対している場合じゃない。科学的根拠に基づいて話を進めなきゃ。
日本人は追いつめられるとすごい能力を発揮する民族ではなかったのか。
もっとずばっとやれないものかね。

震災後
震災後福井 晴敏

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転移

中島 梓著『転移』読了
亡くなったのが2009年5月なので、もうすぐ3年になるのか。
ガンが見つかって、手術を終え、肝臓に転移が見つかって、亡くなるまでの1年ぐらいの闘病日記みたいなもの。
読んでいてつらくなるが、文才のある人は日記もすごい。読ませる力がある。
結構食が衰えてきて、食べれなくなり、痛くなり、おなかが張ってきて、すごい状態になってもちゃんと書いていたのがすごい。合わせて、バンドでコンサートみたいなこともやり、シリーズ物の小説を書き、家族のご飯の心配をし、母親の心配もし、普通に暮らして行こうとしていたのがよくわかる。単なる病人となって寝たきりや散歩だけでしているのではなく、普通の生活を継続して行く努力をしていたのだ。
ただ、ガンはどんどん体力を奪って行き、最後は昏睡状態となって、あの世に召された。
グインの結末まで書ければ良かったのだろうが、そういう遺書みたいなことはしたくなかったから、普通に続きを書いていたのかもしれない。まあ、不世出の物書きだったのだろう。
改めて、ご冥福をお祈りしたい。

転移
転移中島 梓

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ライト・グッドバイ

東 直己著『ライト・グッドバイ』読了
シリーズを逆読みして、やっと華がでて来た。まだ、バーの女性って登場だけど。
話は多少厄介だった。女子高校生の失踪事件があり、監禁されているのではないかと疑っているが、なかなか手を出せない。その被疑者に主人公が接触をする。へんなやつなんだが、だんだん近づいて行くと、予想通りの展開になる。
このシリーズの展開はこの辺りでちょっと動きが鈍くなり、その後、やや動きが出てくる。ちょっと面白みに欠く。

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ライト・グッドバイ―ススキノ探偵シリーズ (ハヤカワ文庫JA)東 直己

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外務省に告ぐ

佐藤 優著『外務省に告ぐ』読了
著者は元外務省の職員で、刑事罰を受けて免職された人。外務省のロシア関係の情報収集を担当していた人。いくつか著書が出ている。
この本は『諸君』や『新潮45』の記事を集めた本。
続けて読んでいると、ちょっと疲れる。あと、今の外務官僚が実名で出てくる。大丈夫なのか、外務省。愛情を込めて外務省に変革を求めているのだろうけど、役所なんてこんなものとも取れる。
何が正義かは時代によっても変わる。そのため、記録はしっかり残しておいて、後で検証できるようにしないといけない。時の権力者が自分の都合の悪いことを隠すために隠滅したりしてしまうと、実態がわからなくなる。
そんな話ばかりで疲れてしまう。この国は大丈夫なんだろうか。

外務省に告ぐ
外務省に告ぐ佐藤 優

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ホテル・ピーベリー

近藤 史恵著『ホテル・ピーベリー』読了
ハワイ島にある日本人相手の長期逗留型ホテルが舞台。3ヶ月まで滞在できるが、1回限りをルールとしているペンション型のホテル。実際にはないのだろうが、あたかも存在するような感じがする。
そこに主人公が訪れる。元小学校の教諭だが、学校で教え子に対してトラブルを起こし、教師を辞め、なんとなくハワイに来た。そこで、3ヶ月暮らしていこうとするが、事件が起きる。
ミステリーもしっかりしているが、それよりもハワイ島のこのホテルに滞在してみたいという気になった。
ハワイは新婚旅行とその10年後ぐらいに仕事でアメリカに行った帰りに寄り道して行った2回だけ。2回も行ったのはすごいと思うけど、ほぼホノルル界隈しか行っていない。新婚旅行のときに隣の島のシーアドベンチャーみたいなところに行った記憶があるが、なんせ、初めての海外旅行だったので舞い上がってしまっていた記憶しかない。
もう一度行きたいねえ。できればホノルルだけでなく、ハワイ島にも。活火山をみてみたい。

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ホテル・ピーベリー近藤 史恵

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ある少女にまつわる殺人の告白

佐藤 青南著『ある少女にまつわる殺人の告白』読了
たまたま手に取ったが、意外に面白いミステリーだった。
書き手が順に10年前のある少女の殺人に関わる人から聞いた話を書いていくインタビュー形式で進んでいく。途中までは10歳の少女が被害者だと思わせておいて、実はその少女に暴行していた同居の男が殺されたのかと思わせ、最後に意外な結論と含みを持たせたエンディングで終わる。
ネタバレとなるのでそれほど書けないが、いろいろな伏線を持たせて、インタビューの人を順に変えて、思い込ませる構成など非常に面白かった。
このミス大賞で優秀賞になったらしいが、場合によっては大賞でもよかったのではないかと思える出来。確かにDVを扱っていることから、ベストセラーになった『告白』にかぶるとかで選考委員でも意見が分かれたということがあとがき解説にかかれているが、出来としてはすばらしい。
ドラマ化するとおもしろいのではないかね。

ある少女にまつわる殺人の告白
ある少女にまつわる殺人の告白佐藤 青南

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