ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争
手嶋 龍一著『ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争』読了
昨年から今年に掛けてはいろいろな出来事があった1年だろう。
日本では大震災があり、アメリカでは9.11の首謀者であるウサマ・ビンラディンがやっと処刑された。
これらの事柄をインテリジェンス:情報として国家がどのようにとらえていたのかを解き明かしてくれるのが本書だ。簡単にいうと、アメリカは膨大な国家予算をつかって、情報の収集や分析を行って、自国の利益を最大化しようとして行動している。日本にはその機能がない。
国は強ければ強いほど、他の国からは頼られるか、敵対される。アメリカは特にそんなに強い意志はないのかもしれないが、自国のやり方で進めようとする。相手の国のことを考えることもあるのだろうけど、大体は自国の都合で行動してしまう。それが相手の国に軋轢を生む。まあ、大国なんで仕方がないのかもしれない。そうでなければ、常に勝つことも出来ないのだろう。
ビンラディンが亡くなって、安定に向かうかといえばそうではない。アメと鞭、いや、太陽と北風ではないが、やり方を誤るとまた戦争が起きる。これだけ中東の戦争で経済は疲弊しているのに、自国の軍需産業のために、また戦争に走るかもしれない。今度はイランだ。次は北朝鮮かもしれない。
そんななか、能天気な日本政府はどこに行くのか。普天間の問題は混迷を深めてしまったし、内政も問題だらけだ。大元の問題を作り出した自民党と公明党は知らんぷりだし、解散だ、選挙だとふれ回っている。これで政権を取ったら、うまく立ち回れるのだとしたら、いま、その案を出すべきではないのか。どうせ、案などないものを。
ここまで来たら、一度リセットできないものか。大前研一先生が言っているガラガラポンをしてもらいたいものだと思ってしまう。
ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争 | |
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