サヴァイヴ
近藤 史恵著『サヴァイヴ』読了
『サクリファイス』、『エデン』のシリーズの連作短編集。
自転車レースに参加する選手が主人公。自転車レースは日本ではあまりなじみがない。最近震災の影響もあり、自転車愛好家や自転車通勤をする人たちが増えてきたが、自転車レースはまたちょっと違う。チームスポーツでチームワークやチームとしての戦略、駆け引きがレースを左右する。
普通、スポーツで言えば先頭でゴールすることを全員で目指すものだが、自転車レースでは最初からエースをアシストする役の選手が決まっていて、ペースメーキングをしたらり、風よけになったりする。エースに最後にゴールテープを切ってもらうために走るという地味な役目の選手もいて、初めてチームとして成り立つ。
ヨーロッパでは盛んな自転車レースであるが、日本ではいまいちなのは有名なレースがないことと、スポンサーがいないことだろう。女子サッカーもいまでこそなでしこジャパンで有名となったが、1年前までは日陰のスポーツだった。やっぱり成績を残して、ちゃんとスポンサーがつかないとだめだな。
この作品は、前の2作品の雰囲気を残しつつ、それぞれ小品だが、読んでいて響く良い作品だと思う。次回作にも期待したい。
サヴァイヴ | |
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