ハッピー・リタイアメント
浅田 次郎著『ハッピー・リタイアメント』読了
何となく手に取った作品ではあるが、結構面白かった。
冒頭エッセイ風の出だしで始まるが、この部分は実話らしい。
定年を間近に控えた公務員の天下り先でとある財務省の外郭団体で暇仕事を与えられた二人が、しっかり仕事をすることにより、3億円も回収してしまい、そのお金を使って定年後の暮らしを海外で迎えるというところで終わる。終わり方はちょっといけてない感じもするけど、まあ、こんなもんでしょ。
天下りという機構は確かに悪いのだが、お役人はトップが一人なので、トップになれそうもない人を順次外へ外していく方法として外郭団体への天下りが生まれたようだ。だが、一度生まれたものは、運用によっておかしくなっていくのが日本の行政機関で、天下り先を作るために外郭団体を作るようになってしまい、どんどん組織が肥大してしまう。
そもそも大会社が子会社に出向させることをまねて作ったようだが、今時よほどの大きな日本企業でなければ子会社への出向なんてあり得ない。肩たたきされてとかリストラされる人の方が多いだろう。役人は守ることばかり大事にしてる。
自分も50を越えて、そろそろ先のことを考え始めている。一緒に働いているS部長とも定年までは絶対にいないだろうと話しているが、さて、会社を辞めたあと何をしようか。考えていることはあるが、どうなんだろう。
ハッピー・リタイアメント (幻冬舎文庫) | |
![]() | 浅田 次郎 幻冬舎 2011-08-04 売り上げランキング : 35052 Amazonで詳しく見るby G-Tools |





| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント