スリープ
乾くるみ著『スリープ』読了
『リピート』に続く時間ものSFミステリー。
今度はタイムスリープして未来に行ってしまった少女を描く。いわゆるコールドスリープの装置に入って、30年後の世界で目覚める設定になっている。途中までは単純なタイムスリープものかと思っていたら、実はそうではなくて、30年前に取られた全身標本から人を作り出してしまったというもの。なかなか深い。
タイムスリープものとしては北村薫の『スキップ』があげられるだろう。それと、人体複製の話を組み合わせている。たしか、ジェイムズ・P・ホーガンの『星を継ぐもの』シリーズで高速に近い速度で移動をする方法として、人間を分子レベルで一度分解して解析して、その情報を光速で送って、現地でその情報をもとにもう一度人に作り出して、結果的に光速に近い速度で遠距離の移動を可能にするという話があったと記憶している。
結果的にそのようにして作り出した人体が、代謝的には不完全で長く生きられなかったという結末となっているが、途中まですっかりだまされて、非常に面白かった。科学的知識もそれなりに含められていて、おもしろい小説になっている。
スリープ | |
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