リピート
乾 くるみ著『リピート』読了
著者の作品を続けて読んでいる。
今回はミステリーもあるが、SFものと言っていいだろう。タイムスリップして、1年前に戻ることが出来ると言われて、その話に乗って一度は戻るが、同じく行った仲間たちが次々と亡くなっていく。犯人はだれか。運命とはどれが正しいのか。そしてもう一度繰り返したところ、結末が待っていた。
ケングリムウッドの『リプライ』がこの手の状況のSFとしては名著だが、そのことも中に出てくる。北村薫もグリムウッドのアイデアと同じ着想を持っていたが、先を越されたのであわてて、『スキップ』などのシリーズ物を書いている。
今回は元の世界の1年ほど前に戻ることになる。戻るというのは意識として継続しているが、時間は戻っているということだ。経験や知識を引きずっているので、たとえば競馬の大穴で大金を得ることは出来たりする。不思議なもので、元に戻ると前と違う生き方をしたくなるものなのか。恋人と別れてみたり、新しい恋人を見つけたり。
確かにこういったことが出来るのなら、やり直してみたいこともあるだろう。でも、それがいいかどうか。まあ、真剣に考えるだけ無駄だろう。そんなことはできないのだから。
今をしっかり生きるしかないのだと。
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