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原発事故 残留汚染の危険性

武田 邦彦著『原発事故 残留汚染の危険性』読了
放射能残留汚染の関係で続けて読んだ本。
科学者が素人に伝えるのに、わかりやすくするためにある程度詳細を省くことがあるが、この著者はちょっと省き過ぎの感がある。原発で核爆発が起きているという表現はちょっと正しくない。確かに、原子核分裂の連続状態も含んで核爆発と表現しているが、爆発とある程度コントロールされた連鎖反応はちょっと違う。聞く側の印象において誤解をあえて与えるように話している感じがする。
ちょっと意図的に極端な話をしているように感じるところもあるが、概ね話している内容は正しい。
日本中どこでも毎日レントゲンを浴びている状況だろう。それで、もしかすると影響はないかもしれないし、あるかもしれない。いま、我々は未知の状況の中、壮大な実験場にいるみたいなものだ。これで長期間観察してそれほどガンの発生率が増えなかったとしたら、低線量の放射線に対して人間はそれほど影響を受けないと言えるし、もし、30年後に日本人のガンによる死亡率が上がっていったとしたら、それは原発事故の影響かもしれない。いま、それについて正しいことが言える人間がいないということだ。地震予知と同じこと。当るかもしれないし、当らないかもしれない。
我々は放射能によるガンのリスクがあがってしまったこの日本という国で暮らしていくしかないということだ。もし、お金があって日本を捨ててもいいという人は別の国に移住する方ががんにかからないかもしれない。

原発事故 残留汚染の危険性
原発事故 残留汚染の危険性武田 邦彦

朝日新聞出版 2011-04-20
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