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俺俺

星野 智幸著『俺俺』読了
朝日新聞の書評で紹介されていたので。
なんというかばかばかしい話って言えばそれまでなんだけど、それを小説として読ませるだけの物に仕上げるのはすごい。別の人の書評で落語の『粗忽長屋』を対比させていたが、そう見なくてもいいんじゃないかと思う。
たまたまファーストフード店で他の人の携帯を手にしてしまい、そこからオレオレ詐欺をやってしまう。そうしたら、いつのまにかその携帯の持ち主に自分がすり替わってしまう。でも、自分はちゃんといるけど、そこには別の人が。だんだん俺が増殖していく。
読んでいくうちに最初は落語の題材を、途中からYMOの増殖(マルティプライズ)(だったかな)を思い浮かべるようになった。
そのうちに俺だらけとなり、削除が始まる。ひとりふたりと削除されていき、削除を恐れて、山の中に逃げる。
おしまいはなんとも平和に終わるのだが、そこまで話が破綻せずに読ませてくれたのはすごい。
なかなかジャンル分けできない面白い小説。よく、この本を世に出したものだとおもう。この担当編集者はすごい。

俺俺
俺俺星野 智幸

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