時は静かに戦慄く
木宮 条太郎著『時は静かに戦慄く』読了
タイトルと本の外装に惹かれて手に取った。ホラー小説にくくられるはず。なかなか秀逸。
いわゆるパニックものだ。突然、親が自分の子供を殺したくなるという状況を描いている。なぜなのかということは当然語られないが、種の存続のために突然変異を起こすと言った説明もあるが、説明にはなっていない。
その不条理の中で、生き残るカップル。そして、おなかの中の子供はどうなるのか。
ちょっと前にハプニングという映画があった。CATVのどこかの番組でやっていたのをたまたま見たのだけど、それははちの突然死と同じように、急に自殺をしてしまうというものだった。それはそれで怖かったが、それと同じような話だ。
子殺しというネタはかなり前の永井豪のマンガでも出ていたのを思い出す。すでにタイトルすら忘れてしまったが、この小説を見て、何となく思い出した。
話はパニックになった街が落ち着きを取り戻し、主人公のカップルから超早産で子供が生まれる。この子供は殺されない。新たな種のジャンプが起きたということを暗に述べているらしい。
いやー、けっこう怖くて面白かった。著者の力量はなかなかのもの。次も読んでみよう。
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