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武士の家計簿

磯田 道史著『武士の家計簿』読了
映画にもなったらしい。映画は見ていないので、わからないが。
加賀藩の御算用者(役人)の武士の幕末から明治に掛けての生活が書かれた古文書を読み解いて、その当時の武士の暮らしぶりを科学的に解読した。
なかなか江戸時代の武士の暮らしはわからなかったらしい。その昔、黒澤明監督が七人の侍を製作するシナリオを書こうとして、構想を練ったときに、ある武士の一日を描こうとしたが、そもそもどういう暮らしだったのかがわからなかったということを書いている。結局、百姓が武士を雇って野武士の襲撃から身を守った故事を見つけて七人の侍になったというエピソードを聞いたことがある。
今回、古文書を見つけたことで、武士の暮らしぶりが少しわかったということだ。書き留めていた人も几帳面だったということだろう。
中で、興味深いのは給料のもらい方だ。昔は石高で決まったお米をもらっていたが、実際にもらうのは食べる分だけで、残りはお金に換えていたとか、そのお米も夏と冬にもらっていたとか。いまのボーナスにつながる感じだ。あと、稟議制度に似た物も存在していたらしい。うちの会社も稟議制度があり、下から順番にはんこを押して、合意形成を行うのだが、こんな制度も江戸時代からあったらしい。責任の分担と言えばかっこいいが、要するに責任の所在をわからなくしているだけ。こんな暮らし方が、いまも脈々と生きて我々につながっているということを再認識した。

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)磯田 道史

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