A3
森 達也著『A3』読了
先日朝日新聞の書評が出ていたので。
A3とはAシリーズの3番目の意味。前は映像だったが、今回は書籍となった。Aとは麻原のこと。
すでに16年立つということを今回の東日本大震災で比較に出される阪神淡路大震災から思い出す。地下鉄サリン事件は阪神淡路大震災の同じ年の3月だった。その日、仕事でたまたま明石に出張していて、その仕事場に連絡があってサリン事件を知ったことを思い出した。
結局オウムが強制捜査となり、麻原が逮捕され、その後長い裁判の後、死刑判決が出たが、すでに完全に過去のこととなってしまっている。いまだに死刑執行はされていないはず。オウム関係者でほかにも死刑判決がでた者が何名もいるが、一人も死刑は執行されていない。
はたしてこれらの事件は何だったのだろうか。単に宗教が過激化して、いわばテロのようなサリン事件を起こしたのか。結局裁判ではその動機、原因、事件に至る道が解明されずに終わっている。
この本では当時の動きも含めて、しっかりとした裁判を求めていたが、麻原が精神の病に陥ってしまい、なんら核心的なことはしゃべらずに終わっている。本当になんであったのか。どうしてそうなったのかがわからなければ、もう一度起きるのかどうかもわからない。また、同じようなことが起きるのではないかと疑心暗鬼となる。
あれから16年。闇に葬られたまま、どんどん日本人は人を信じなくなってしまっているのではないだろうか。
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