砂漠の悪魔
近藤 史恵著『砂漠の悪魔』読了
どういう分類にしていいのか迷う。
主人公は大学4年生になる男子。彼の行動から、友人が自殺してしまい、そこから暴力団に目を付けられ、旅行がてらに中国と日本を移動して密売品の運び屋をやらされることになる。1回目は無難にこなすが、2回目を断ったところ、殺させそうになり、しぶしぶ中国に渡る。そこで知り合った日本の留学生に知らない土地に逃げることを勧められて、いっしょに中国内陸部に逃避行する。ウイグル自治区までたどり着くが追っ手に見つかり、追っ手を殺してしまう。
日本に帰ることを決め、その前に砂漠を見ておこうということで、ジープで旅にでる。その際に核実験の放射能を浴びてしまい、被爆者になってしまう。被爆という”悪魔”に取り付かれることで、この表題である砂漠の悪魔につながる。
うーん、テーマはいいんだけど、あまりにも淡々と話が進みすぎる。
結局著者は何を語りたかったのか。中国でウイグル族が排斥されている実情なのか、中国の核実験のことなのか、それとも日本人の生き様を中国で問い直したいとか。
けっこう語り尽くしたい内容だと思うが、ちょっと中途半端感がある。もっと続けてほしかった。せっかく面白いテーマなのに、ちょっと残念。
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