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国境事変

誉田 哲也著『国境事変』読了
刑事と公安警察、対馬の国境警備などを含めた平和ボケした日本を表した警察小説。
とても武士道シリーズを書いた同じ著者の作品とは思えないが、警察関係の小説は書いている。
今回は在日朝鮮人を絡めた北朝鮮関連の核を扱った小説になっている。対馬で不審なゴムボートの残骸が見つかり、韓国系の怪しい二人組が人探しをしているところから始まる。そのころ、東京で会社経営の在日朝鮮人が何者かに殺害され、そして、それをとりまく警視庁の刑事、公安警察が犯人を追う。
なかに小型核爆弾のことがあり、少し調べてみた。はるか昔にアメリカの大学生が卒業論文で原子爆弾の製造方法を作成し、物議を醸し出したが、すでにインターネット上ではいろいろな情報がでている。たとえばこれ。簡単に書くとサッカーボールくらいの大きさのプルトニウムをメロンだったかゴルフボールくらいに圧縮(爆縮というらしい)して核反応を持続的に起こさせてしまうのが原子爆弾といわれているものの原理だが、これをきれいに圧縮するのが難しい。だから、一生懸命実験を重ねて、いつでもちゃんと爆発するように技術開発にしのぎを削るのだ。北朝鮮が核実験を行って、当初目標の1/4しか威力が出なかったといわれているらしいが、そんなもんだろう。でも、ちゃんと臨界に達したのならすごいことだ。
これが海の向こうの隣の国でやられていることはある意味大変な脅威。いつ攻めてくるかもしれない恐怖はなんとかならないかと思ってしまう。暴発しそうなのを手をこまねいているだけでは国民は守れないのではないか。

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誉田 哲也

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