写楽 閉じた国の幻
島田 荘司著『写楽 閉じた国の幻』読了
たまたま図書館で見つけて借りた本。写楽に惹かれて。
いわゆる『写楽』の謎にまつわるミステリーはいろいろ書かれている。そのなかでミステリーの形を取っているが、けっこう史実をベースとした組み立てを行っている本だと思う。
なぜ、10ヶ月しか活躍できなかったのか。それまでの浮世絵とは一線を画すような独創的な構図はどこから生まれたのか。などをある程度明解に説明する今回の説は検討に値するのではないか。ミステリーの形で発表しているので、いわゆる研究者からは相手にされないだろうけど、この線でもう少し裏付けがなされれば、信憑性も生まれるかもしれない。
ミステリーとしては途中で終わってしまった感が強い。最初の回転扉の事故のその後の状況とか、女性大学教授の位置づけとかどう持っていきたかったのかわからないまま、終わっている。著者があとがきで続編をにおわせているので、その後の調査も含めて続編が出るかもしれない。
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