魔法使いの弟子たち
井上 夢人著『魔法使いの弟子たち』読了
井上作品はひさびさ。
今回の小説はミステリーというより、感染パニックもの。
山梨県で強毒性の感染病が発生する。感染した人はそのほとんどが死亡した。初期に感染した3名だけが助かり、その免疫を使ってワクチンが作られ、死亡率も下がる。問題はその助かった3人だが、後遺症として超能力が宿る。一人はものを自由に操ることができるようになる。鉛筆を曲げて結び目を作るとか。一人は老人だったものが若返ってしまう。これが超能力かはよくわからない。あと、憑き物の様な能力も。もう一人は千里眼的な能力を持つ。過去と未来を見通せてしまう。合わせて、完全な防衛能力を持ってしまう。ナイフで襲われたら、逆に相手をナイフで刺してしまったり、拳銃で撃たれたら、弾丸が180度曲がって撃った人に返ってしまう。取り押さえようとしたら、手を複雑骨折させてしまうとか。まさにSF的な能力だ。この能力のおかげで、警察に追われ、逃げ惑うことになる。
最終的に最初の感染症が再度爆発的な二次感染を巻き起こし、パンデミックとなるが・・・
なかなか面白くて、一気に読めたが、まあSFだな。昔読んだ『オルファクトグラム』に似ているかもしれない。最後が救いがあるのかどうなのかよくわからないところがちょっと釈然としない。
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