レッドゾーン
真山仁著『レッドゾーン』読了
ハゲタカの続編。今度はリーマンショック以降の時代を背景として、自動車業界に舞台を設定している。
今回も上下巻の長い小説だが、読み出せば一気に読める。登場人物はほとんど変わっておらず、前作で亡くなったアランの死の正体を探る側面も描かれている。また、大阪の町工場の再生も出てくるがちょっと消化不良。クリーンディーゼルエンジンの話などを織り交ぜたところはよかったが、尻切れとんぼになってしまっている。
クリーンディーゼルについては楡周平氏も取り上げていて、技術的にはいいもののはずが、石原東京都知事の時代遅れ的なディーゼルエンジンバッシングで日本では新たなディーゼルエンジン車がなかなか出てこない。日本の車メーカーが欧州ではディーゼル車を販売しているにもかかわらずだ。
声だかにいうわからずやに負けるのはおかしいが、言ったもん勝ちということもある。マスコミも無知だからしかたがない。そのメディアをみている国民も無知だということ。こういった小説でもクリーンディーゼルをもっと取り上げてほしい。そういった点では、この小説でももっと取り上げてほしかった。
でも、自動車会社の買収劇はおもしろかった。時代に即して、うまく書いている。これからは中国がすべてのキーマンになってくるのがよくわかる。中国と仲良くやっていかなければならないのだろうけど、それはそれで難しい。
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