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フリーター、家を買う。

有川 浩著『フリーター、家を買う。』読了
めずらしくラブコメではない小説。題がイマイチかもしれない。
話としては就職したんだけ、会社の雰囲気とかについていけず3ヶ月でやめちゃって、フリーターになった主人公が、バイトをしながら就職活動をして、その間母親が心の病を発病し、その原因が近所付き合いだということで、なんとか就職し、新たに家を買う。最後にちょっとラブコメ調になるけど、いたって内容は正統派だ。
今の時代を良く表していると思うけど、新卒で就職はなんとかなる(今だとそれも厳しいか)が、そこから短い期間でやめちゃったりすると次の就職は結構厳しい。資格や経験がないならなおさら。地方でほとんど無理だろう。昔なら派遣で働くという選択肢もあったと思うが、派遣も厳しくなって、結局アルバイトやフリーターとして生きるしかなくなり、そのうち歳も取ってしまいどうにもならなくなる時代に生きているということだ。
場面場面で努力、苦労をしておかないと道は開けないだろう。この主人公の話もアルバイトで土木系を結構続けてがんばったことが認められて正社員となったが、そうそうある話でもないだろう。
あと、母親の心の病についてもよく書けている。ある程度の取材をしないとここまでは書けないだろう。心の病とのつきあい方も大事だということを教えてくれる。
エンディングでうまくいきそうな二人を描いているが、この続編も書いてほしいな。幸せになってほしいと願ってしまう。割と固い系の話で、自衛隊ものでないけど結構面白かった。

フリーター、家を買う。フリーター、家を買う。
有川 浩

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